Ctrip、日本の海外旅行市場に本格参入、マーケティング強化
中国大手OTAのCtripはこのほど、日本市場への本格参入を開始した。日本人向けに海外旅行の販売を強化する方針で、6月末には日本人向けのマーケティングなどを担当する新会社としてCtrip Air Ticketing Japanを立ち上げた。新会社のジェネラル・マネージャーには、2015年末からCtrip国際事業部で日本国内のマーケティング責任者を務めてきた吉原聖豪氏が就任した。
Ctripは14年に日本法人としてCtrip Japanを設立し、訪日中国人旅行者の受け入れなどに取り組んできた。日本人向けには13年頃に日本語版のウェブサイトを開設し、現在は国内外への航空券や宿泊施設などを販売。仕入れについては、航空券は上海の本社で、宿泊施設は日本や中国、韓国などのグループ会社が担当している。
吉原氏は「これまでは日本国内で積極的にピーアールをしていなかった」と述べた上で、日本人利用者の増加などを受けて、今年から取り込みを強化したことを説明。「Ctripは昨年末にスカイスキャナーを買収したこともあり、海外に目を向けてマーケットシェアを取ろうとしている」と語った。
そのほか、日本市場については「香港や韓国などとともに、投資を強化している市場。取扱規模はまだまだ少ないが、近年は3桁以上の伸びを示している」と語り、成長に期待を示した。今後は引き続き、日本語サイトの表記などをよりわかりやすくしてユーザビリティの向上に努めるとともに、スカイスキャナーなどのメタサーチを活用した販売促進に取り組む。
日本人利用者の傾向としては、中国への航空券や中国国内のホテルの需要が大きいことを説明。あわせて「Ctripは『中国のOTA』というイメージが強いが、NASDAQに上場しているグローバル企業であることを知ってもらい、イメージを抜本的に変えたい」と語り、中国以外のデスティネーションへの取り組みを強化する考えを示した。9月からは一般消費者向けに広告展開を開始するほか、利用者の多くを占める25歳から45歳までの層に向けて、デジタルマーケティングを強化するという。
※インタビューの詳細は後日掲載予定