パリ、日本人は「順調に回復」、1月と2月は6割増

  • 2017年5月29日

懇親会での記念撮影。中央がパリ観光会議局のバルテルミー氏、その右隣がJATAの菊間氏  パリ観光会議局は5月29日、都内で旅行会社向けの懇親会を開催した。来日した同局レジャーマーケットプロモーション責任者のパトリシア・バルテルミー氏は「昨年末から日本人旅行者数は順調に回復している」とアピールし、日本の旅行会社の協力に対して感謝の意を表明。同氏によれば16年にパリを訪れた日本人旅行者の数は前年比41.2%減の28万2998人で、宿泊数は39.9%減の72万1020泊だったが、今年の1月と2月の累計は旅行者数が60.2%増の5万7463人、宿泊数が58.9%増の14万9125泊。業界誌のインタビューに対しては「17年の目標は設けていないが、この伸びをキープしていきたい」と意欲を述べた。

 17年の日本市場については「若者からシニアまで幅広く取り込みをはかっているが、今後は特に若者に注力したい」との考え。ナイトライフや美食などを訴求する方針で、4月にパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏が100軒のビストロを選定して勲章を授与したことを説明した上で、「カジュアルな服装で気軽に入ることができるビストロは若者に適している」とアピールした。

 旅行業界向けの新たな素材としては、4月2日にオープンしたセーヌ川沿いの遊歩道や、セーヌ川の中洲のセガン島で同21日に開業した音楽複合施設「ラ・セーヌ・ミュージカル」などを紹介。「日本市場は我々にとって重要。日本人を受け入れる準備は万端なので、秋に向けて旅行商品の造成を積極的に実施してほしい」と協力を求めた。

バルテルミー氏  そのほかには「現在のパリには通常通り世界中から観光客が来ており、ネガティブな要素はない」と強調。安全対策については、観光地やショッピングモールなどの警備体制を強化し、監視カメラや私服警官の数を増やしている旨を説明し、「できることはすべておこなって、日々体制を強化している。重要なのはこのような体制を維持すること」と語った。

 日本航空(JL)が冬ダイヤ以降、1日1便で運航中の成田/パリ線を運休することについては「JLが決めたのであれば仕方がない」とコメント。「成田からはエールフランス航空(AF)なども運航している」と語るとともに、経由便を使ってパリを訪問する日本人が増えていることを説明した上で、「さまざまな方法でパリに来ることができる」とアピールした。

▽菊間氏「出遅れずに商品造成を」-フランスから勲章

 懇親会では日本旅行業協会(JATA)副会長の菊間潤吾氏が登壇。「旅行会社によるフランスへのパッケージツアーは、2014年比で8割回復している」と説明するとともに「企画担当者は心配せずに、他社に出遅れないように商品造成をしてもらいたい」と呼びかけた。

 なお、フランス観光開発機構によれば、フランス政府は菊間氏のフランス観光への貢献に対して、このほど同国の最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章の授与を決定。日本の旅行会社からの受賞は菊間氏が初めてとなる。階級はシュヴァリエで、日本人ではこれまでに「ベルサイユのばら」で知られる少女漫画家の池田理代子氏、シェフの三國清三氏などが受賞している。授与式は9月に開催される予定だ。