日本航空、9月から成田/メルボルン、コナ線-パリは運休
日本航空(JL)は5月29日、9月1日から成田/メルボルン線、同15日から成田/コナ線のデイリー運航を開始すると発表した。メルボルン線についてはこれまでにカンタス航空(QF)やジェットスター航空(JQ)とコードシェアを実施したことはあるが、自社での運航は初めて。コナ線については2010年まで運航していたが経営破綻を受けて運休していたところで、約7年振りの再開となる。ともに「JAL SKY SUITE」を搭載した機材を使用する予定で、関係当局への申請と認可取得が前提。
メルボルン線はボーイングB787-8型機で運航。ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラスを設け、内訳は公表していないが座席数は161席となる予定。JR広報担当によれば、日本とオーストラリアは2015年に日豪経済連携協定(EPA)を発効しており、日本企業も多数進出していることなどから、訪豪需要についてはビジネスとレジャーの両方の取り込みをはかる。訪日需要についてはレジャー中心となる見込み。
訪豪・訪日の割合の見通しや目標数値などについては非公表とした。同路線については、08年に運休したQF便が16年12月に再開し、代わりにJQが17年2月で運休している。
JLのメルボルン線は、成田発便は午前中に出発して夜に到着。メルボルン発便は夜に出発して朝に到着する。既存の成田/シドニー線は、成田便は夜に出発して朝に到着。シドニー発便は朝に出発して夕方に到着するため、オーストラリア旅行の選択肢が広がるという。
JLの発表を受けてオーストラリア政府観光局(TA)は、同日中に歓迎のコメントを発表。本局局長のジョン・オサリバン氏は 「16年にオーストラリアを訪れた日本人旅行者の数は前年比22.7%増の41万3800人で、JLによる新規就航は良いタイミング。(QFや全日空など)航空各社による直行便就航でここ数年の日本人旅行者数は堅著に伸びているが、JLの就航がオーストラリアへの『第三のブーム』を牽引すると信じている」と語っている。
コナ線は199席のB767-300ER型機で運航。ビジネスとエコノミーの2クラスを設ける予定で、ビジネスクラスにはフルフラットシートの「JAL SKY SUITEⅡ」を、エコノミークラスにはシートピッチを拡大した「JAL SKY WIDER」を搭載する。座席数の内訳については公表していない。利用者の多くは日本人となる見込みだが、中国や韓国などの近隣国からの利用者なども想定するという。目標数値などは非公表。
JLは現在、成田から1日4便、関空と中部から1日1便、ホノルル線を運航しているところで、コナ線就航により1日7便をハワイへ運航することとなる。なお、日本/コナ間については昨年12月にハワイアン航空(HA)が週3便で羽田/コナ線の運航を開始している。
一方でJLは、10月29日をもってデイリー運航中の成田/パリ線を運休することも発表した。15年以降にフランスで発生した複数のテロ事件の影響などを勘案したもので、「乗客はそれなりに乗っていたが収支が改善しなかった。再開については今後の需要動向を見て検討する」という。同社は今年の1月11日から2月25日にかけて、同路線の期間運休を実施していた。
羽田/パリ線のデイリー運航については継続する予定で、羽田に国際線を就航させる場合に成田線を残す「成田縛り」については「問題になるとは認識しておらず、成田線の運休も国土交通省から認可されている」と回答した。