ミキ、HIS子会社化後も「中立」維持-ネット販売で合弁会社検討
ミキ・ツーリストの持株会社であるグループミキホールディングス(ミキグループ)CEOの檀原徹典氏は、このほど本誌の独占取材に応え、エイチ・アイ・エス(HIS)の連結子会社となった後のHISとの協業方針などを説明した。同グループはミキ・ツーリストで日本の旅行会社向けのランドオペレーター事業を、グループ全体で海外を中心としたBtoBのオンライン事業を展開。このうちランドオペレーター事業について、同氏はHIS以外の取引のある旅行会社に対し「中立の姿勢は変わらない」と強調した。ミキ・ツーリストについては現行の体制を維持し、HISは経営に関わらないという。
HISは2012年にミキグループ(当時の社名はGM Communications)の株式を32.7%取得した後、16年7月の時点でその比率を46.67%まで高め、子会社化の検討を開始。今年の5月中に株式を追加取得して比率を70.3%に引き上げ、ミキグループを連結子会社化する予定だ。檀原氏によれば、連結子会社化が発表された4月28日以降、取引先の旅行会社を訪問し、今後の体制を説明しているところという。
同氏は「旅行会社が懸念するのは、例えば団体旅行の見積もりをミキ・ツーリストに発注した際、HISに見積もり代金などの情報が漏れることでは」とコメント。「我々は営業担当者を旅行会社別に配置し、社内で社員同士を競争させることで、中立性を保っている」と説明した。さらに「情報管理をしっかりすることは企業のモラル」とし、12年にHISが同社の株式を取得した時から対策をおこなっている旨を強調し、「HISの出資比率が高まっても体制は変わらない」と語った。
なお、HISは5月8日付で業界誌向けに配信したリリースにおいて、「ミキ・グループの取引顧客との信頼関係の維持を最優先事項とする」と説明。株式取得後についても、「独立・中立的な経営体制と意思決定を維持する」と明言している。
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