インタビュー:「Relux」運営のLoco Partners篠塚氏、KDDI勝木氏

Loco Partnersを「海外OTAに負けない会社」に
KDDIは「ライフデザイン戦略」強化

(左から)篠塚氏、勝木氏  会員制の国内宿泊予約サイト「Relux」を運営するLoco Partnersは3月、KDDIの連結子会社となった。KDDIの傘下に入ることで、OTAとしてさらなる拡大をめざす考えで、一方のKDDIはReluxの宿泊予約サービスをau会員に提供することで、新たな価値の創出と、コマース事業の強化をはかる。連結子会社化の背景や今後の方針について、Loco Partners代表取締役の篠塚孝哉氏とKDDIバリュー事業本部金融・コマース推進本部長の勝木朋彦氏(※当時。4月からライフデザイン事業本部副事業本部長)に聞いた。


-連結子会社化について、改めて意図をお教えください

篠塚孝哉氏(以下敬称略) 連結子会社化を決めた一番の理由は、独立して株式公開をめざして会社を拡大していくよりも、KDDIと協力した方が桁違いのビジョンを描けると思ったためです。KDDIは3800万人のau会員を有しており、日本でもトップクラスの会員組織を取り込めることは、非常に魅力的でわくわくしました。

 3月時点のReluxの会員数は70万人超で、取扱宿泊施設数は約1000軒です。KDDIとの取り組みを通して、将来的には国内の主要OTAのみならず、海外のOTAとも肩を並べる規模に拡大していきたいと考えています。

勝木朋彦氏(以下敬称略) KDDIはauのお客様に対して、通信サービスの提供に限らず、電力や保険、金融など生活全般に関わるサービスを総合的に提供する「ライフデザイン戦略」を展開しています。その1つの領域として、OTA事業にも取り組もうと考えました。

 近年はヤフーが一休を買収するなど、国内外で大手企業とOTAの統合が進んでいます。我々は、これからの時代に適したサービスコンセプトづくり、スマートフォンを通したお客様との接点づくりなどを提案できるカルチャーのある会社を探していました。そうした視点で考えた結果、Reluxの可能性を高く評価し、Loco Partnersをパートナーに選びました。