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トップインタビュー:中国国際航空日本支社長の馮力氏

日本市場回復へ、「新しい中国旅行」提案
訪日は倍増予測で地方誘客を重視

 昨秋、中国国際航空(CA)の日本支社長・東京支店長に馮力(ひょう・りき)氏が就任した。馮氏は1995年に初めて日本に赴任した後、合計で12年を日本で過ごし東京支店長などを歴任した日本通。直近では北京本社営業本部副本部長を務めていたが、7年ぶりに日本市場に取り組む。日中間ではインバウンドとアウトバウンドの需要が完全に逆転するなど環境が変化しているなかで、どのように成長をめざすか。CAの現況や今後の戦略を聞いた。


-日本路線の現況についてお教えください

馮力氏(以下、敬称略) いうまでもなく、日本人と中国人の割合に大きな変化が生じた。振り返ると2010年前後には、弊社日本路線の座席の7割から8割を日本人のお客様にご利用いただいていた。

 しかし、相互の訪問者数を比較すると14年に訪日が241万人、訪中が272万人と拮抗し、15年には訪日が499万人、訪中が250万人と逆転した。16年に至っては訪日が637万人、訪中が258万人となっている。弊社の現在の割合も、およそ日本発が3割と中国発が7割となっている。

 現在は日本国内の8地点に週149便を運航しており、地方路線は日本人のお客様の割合が高い傾向にある。


-今後の見通しはいかがでしょうか

 16年に、訪中日本人旅行者数が前年を上回ったことは喜ばしい。今年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年であり、さらに20年に東京、22年に北京と夏冬のオリンピック・パラリンピックが続く。交流が多くなれば航空需要も大きくなるわけで、発着枠の問題もあるが、機材の大型化を含めて供給量拡大の準備をしていきたい。

 訪日分野に関しては、日本政府が20年までに4000万人の目標を掲げているところで、中国市場について大胆に予測すると16年の637万人が少なくとも倍になっていくのではないか。