サウジ、数次商用ビザの有効期間を延長、大幅値下げも

  • 2017年3月14日

握手するサウジ国王と安倍首相(提供:首相官邸)  日本政府とサウジアラビア政府は3月13日、両国民に対するビザ発給の円滑化に向けた協力覚書を締結した。同日に合意したサウジアラビアの産業競争力強化などをめざす「日・サウジ・ビジョン2030」に基づくもので、サウジアラビアは日本向けに有効期間3年、1回につき最長90日間まで滞在できる数次ビザを導入し、人的・経済的な交流拡大をめざす。サウジアラビア国内における手続きの終了後に導入される予定で、時期については明示していない。

 外務省によると、サウジアラビア政府は観光ビザを発給していないため、日本人に対しては主に商用ビザを発給。昨年10月までは単一ビザのみ発給していたが、以降は最長2年の数次ビザの発給を開始していた。現在の数次ビザの料金は約25万円と高額だが、新たな数次ビザについては日本と同水準の190サウジリヤール(約6000円)ヘと大幅に引き下げ、負担を軽減する。14年の日本人訪問者数は前年比14.2%増の1万3655人で、外務省によればその後も同程度の水準を維持しているという。

 日本政府は、すでにサウジアラビア向けには有効期間3年、1回につき最長90日間まで滞在できる数次ビザの発給を開始しているが、現在発給しているのはほとんどが単一ビザであるため、今後は数次ビザの申請を促し、経済交流の活発化に期待する。料金については現行の「6000円またはこれらに相当する額」を継続する。

 今回の覚書の署名は、内閣総理大臣の安倍晋三氏と来日中のサルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王の立ち会いのもと、外務副大臣の薗浦健太郎氏とサウジアラビア外務担当国務大臣のニザール・ビン・オベイド・アル・マダニ氏によっておこなわれた。