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パリ市長が来日、日本市場の回復を強調-JATAと意見交換

  • 2017年2月28日

意見交換会の参加者  フランス観光開発機構と日本旅行業協会(JATA)は2月28日、パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏の来日に伴い、フランス大使館で意見交換会を実施した。イダルゴ氏は「1月から3月までの日本人の予約は前年比80%増となった」と語り、日本人訪問者数が回復傾向にあることに喜びを示した。今年については「今なぜパリにいかなければならないか、ということを強力なメッセージとして訴えていきたい」と話した。

 イダルゴ氏は「パリには何度来ても新しい発見があることを感じて欲しい」と語り、リピーターなどに新たな観光素材を訴求したい考えを述べた。同氏は4月にセーヌ川の右岸に遊歩道を開設すること、改装中のカルナヴァレ歴史博物館が2018年にリニューアルオープンすることなどを説明。毎年5月の食のイベント「Taste of Paris」などのイベントも引き続きアピールするという。

(左から)マルタン氏、イダルゴ氏 さらに同氏は、今回の来日で東京都知事の小池百合子氏と会談したことを報告。「1982年から続く友好都市として、2都市間でタンデムを組んで色々と取り組んでいきたい」と語り、2都市でイベントの開催や文化施設のコラボレーション、パリが2024年大会の誘致をめざすオリンピックなどで協力する姿勢を示した。

 意見交換会では、パリ警察日本人観光者治安維持担当のローラン・メルシエ氏が安全対策の現況について説明。シャンゼリゼ通りやルーブル博物館などの7ヶ所の観光地の警備を強化し、216台の監視カメラでモニタリングしていることなどの成果として、スリや強盗などの犯罪が減少していることを説明した。イダルゴ氏も、2月3日に発生したルーブル美術館で男性が警備員に襲いかかった事件に触れた上で、「瞬時に犯人を取り押さえられたのは安全対策の成果。負傷者は出たが誰も犠牲にならなかった」と語り、安全対策の効果を訴えた。

 このほか、パリ市スポーツ・観光担当副市長のジャン=フランソワ・マルタン氏は、観光客の安全確保と利便性向上に向け、観光地の行列軽減に取り組んでいることを説明。事前に入場時間を登録し、時間が近づくと携帯電話にメッセージで連絡するサービスをノートルダム大聖堂の塔で実施しており、今夏にはカタコンベやエッフェル塔でも実施すること、ルーブル美術館やオルセー美術館でも実施を検討していることを明らかにした。


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