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JTB、シンガポール政観とMOU、17年度送客11万人めざす

  • 2017年2月7日

調印式での記念撮影。JTBとSTBの幹部が協力関係をアピール  ジェイティービー(JTB)とシンガポール政府観光局(STB)は2月7日、シンガポールの旅行先としての認知度向上と、渡航促進のための協力覚書(MOU)を締結した。2017年4月1日から18年3月31日まで、共同で商品開発やマーケティング活動、ピーアール活動、渡航促進キャンペーンなどを実施する。JTBは個人旅行、団体旅行、MICE、業務渡航などを含む17年度の総送客目標を11万人に設定。このうち業務渡航を除く個人・団体旅行とMICEについては、前年見込み比28%増の9万人を目標に据えた。15年にシンガポールを訪れた日本人旅行者は14年比4.3%減の78万9000人。

 両者はシンガポール独立50周年にあたる15年と、日本・シンガポール外交樹立50周年の16年についても共同でプロモーションを実施。さらにJTBは、17年度の強化デスティネーションにシンガポールを選んでいる。MOU調印式で登壇したJTB代表取締役社長の高橋広行氏(高ははしご高)は、「MOUは、自ら仕掛けて需要の掘り起こしに取り込む我々の意志」と強調し、「従来のシンガポールのイメージを一新し、これまではシンガポールを旅先として検討していなかったお客様を動かして、新たな需要を生み出していきたい」と意欲を示した。

(左から)JTBの高橋氏、STBのヨウ氏  また、MOUを機に「消費者と距離が近いリアルエージェントならではの感性」でデスティネーションを深掘りする考えを説明。「OTAにはできない、JTBならではの旅の感動をお客様に提供したい」と強調した。

 例えば募集型企画旅行を含む個人旅行では、ファーストタイマー、女性、カップル、ファミリーをターゲットに設定。取り組みの第1弾として発売するツアー「ルックJTB シンガポール航空で行く キラキラ!わくわく!シンガポール」では、JTBならではのコンテンツとして、2階建てのオープントップバスを貸切にしてオリジナルのルートで運行する夜景ツアー「キラキラ夜景バス」を提供する。

 JTBワールドバケーションズ(JTBWV)代表取締役社長の生田亨氏は本誌の取材に応え、幅広いターゲットにシンガポールの魅力を訴求する考えを示した。JTBWVは組織改正により、4月からJTBグループの海外旅行事業を統括するが、生田氏は「今回のように個人、団体、法人などに、同時に1つのデスティネーションを訴求することがねらい」と説明。さらに、日本人の旅行需要に加えて、試験的に第三国発のシンガポール旅行の増加にも取り組む考えを語った。

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