豪州、日本人100万人へ-中沢新局長、業界は「極めて重要」
オーストラリア政府観光局(TA)日本局長に12月1日付けで就任した中沢祥行氏が12月8日に本誌取材に応じ、将来的な目標として日本人訪問者数を100万人にまで伸ばしたいと意欲を語った。オーストラリアへの日本人訪問者は、全日空(NH)やカンタス航空(QF)が座席供給量を拡大したことで2桁の伸びが続いており、2016年通年では昨年の33万5200人を大きく上回って40万人を超える見込み。まずは20年までに70万人の達成をめざす。
成長に向けては、旅行会社や航空会社、州政府観光局など関係者との協調を重視。旅行会社については、日本人の海外旅行のうち「約8割は何らかの形で旅行会社や旅行会社に準ずる企業が関わっている」との分析のもと、「極めて重要なパートナー」であると断言。
その上で、例えば従来の旅行業界向けeラーニングプログラム「オージー・スペシャリスト」について、より受講者ごとのニーズに適した形での運用を検討するなど関係の深化に努める。また、地方からの集客強化でも、地方空港に就航する航空会社と共同で地場の旅行会社へのセミナーを実施するなど働きかけを強めていく。
また、州政府観光局などとの連携については「協調性、情報共有、現場主義」がカギと説明。特に現場主義では細かな調整も丁寧に実施し、例えば「州をまたがるようなコーディネーション」などに積極的に取り組む方針だ。
このほか、日本人訪問者数の倍増に向けて注力したい点としては、教育・修学旅行の強化や様々なSITへの対応、そしてこれまで日本ではあまり知られてこなかった地元住民に愛される観光地などにも光を当てていきたいとコメントした。