HISとANAHD、23年に宇宙旅行、ベンチャーに出資

  • 2016年12月1日

有人宇宙機のイメージ  エイチ・アイ・エス(HIS)とANAホールディングス(ANAHD)は12月1日、このほど国内唯一の有人宇宙機開発会社であるPDエアロスペースと、宇宙機開発や宇宙旅行などの事業化に向けて資本提携したと発表した。出資額はHISが3000万円、ANAHDが2040万円で、出資比率はHISが10.3%、ANAHDが7.0%。HISは宇宙旅行や宇宙輸送サービスの販売を担い、ANAHDは旅客機運航の知見を生かして宇宙機の客室づくりやパイロットの育成を支援。2023年の商業運航開始をめざす。

 PDエアロスペースは、大気中と宇宙空間を1つの機体で行き来できる次世代エンジンの開発や、航空機のように繰り返し利用できる「完全再使用型弾道宇宙往還機」の開発を進めているところ。完成すれば、航空機と同様に空港の滑走路から離陸して宇宙空間に突入し、再び滑走路へと着陸することが可能になる。

 同社によれば、18年10月までに無人宇宙機で、20年10月までに有人宇宙機で上空100キロメートルの宇宙空間への到達をめざす。その後、23年5月までにアメリカ連邦航空局や国土交通省の飛行許可を取得し、同年12月の商業運航を開始する計画。

 同日に開催した記者会見で、HIS代表取締役会長兼社長の澤田秀雄氏は、米国のベンチャー企業などがすでに多くの資金を調達して宇宙技術の開発を進めていることを説明。同社は09年からPDエアロスペースの事業に協賛してきたが、「さらに開発速度を上げるため、初めて出資を決定した」と述べた。また、「今回の出資だけでは足りない。我々以外にも多くのパートナーに協力してほしい」と呼びかけ、同社もさらなる増資を検討する考えを示した。

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