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ハウステンボス、16年9月期は減収減益-17年は営利3割増へ

  • 2016年11月28日

決算会見はハウステンボスと東京のHIS本社で開催。澤田氏はハウステンボス会場に出席  ハウステンボス(HTB)グループの2016年9月期(15年10月1日~16年9月30日)の連結業績で、取扱高は前年比2.5%減の338億4900万円、営業利益は18.3%減の75億300万円、経常利益は40.8%減の61億8300万円、当期純利益は59.0%減の27億3300万円となった。九州地震や台風などによる天候不順の影響によりHTBの来場者数が減少したことに加え、経常利益は為替差損の増加、純利益は所有船舶の減損処理などが影響した。売上総利益は3.5%減の254億4900万円。グループの決算にはHTBに加え、ラグーナテンボスやHTBクルーズ、電力販売事業のHTBエナジーなどを含む。

 HTB単体の取扱高は3.8%減の286億200万円、営業利益は15.0%減の75億8000万円、経常利益は29.3%減の65億5100万円、当期純利益は65.7%減の20億7600万円だった。取扱高と経常利益が前年を下回ったのは、エイチ・アイ・エス(HIS)が10年にHTBを子会社化して以来初めて。純利益の大幅減にはHTBクルーズに対する債権や株式の評価損などが影響した。来場者数は6.9%減の289万人、宿泊者数は8.8%減の30万人だった。

 同日に開催した決算会見でHTB代表取締役社長の澤田秀雄氏は、4月の九州地震を「減収減益の一番の大きな理由」と説明。4月から6月にかけては売上高、来場者数ともに2割から3割ほど減少したという。ただし7月中旬からは徐々に回復し、8月単月では過去最高の売上高と来場者数を記録。「現在も少々の影響は残っているが、来年には影響がなくなるのでは」との見通しを示した。

 17年9月期については、HTB単体の取扱高として14%増の328億円、営業利益は31%増の100億円、入場者数は17%増の341万人をめざす。経常利益や純利益などの目標は公開していない。

 澤田氏は会見で「17年度は新しいイベントや営業戦略で(状況を)変えていきたい」と意欲を示した。今後は来場者参加型のイベントを強化するとともに、HTBの国内外での宣伝と集客に注力する方針で、特に「海外での取り組みは不十分」との考えから、海外の旅行会社に対する営業を強化し、旅行商品の造成や団体客の送客を促す。方面別では、来場者が多い台湾や韓国に引き続き注力するとともに、中国を強化。HTBによれば、すでに台湾と香港に現地事務所を開設しているが、今後は中国本土における拠点開設についても検討するという。

ハウステンボス ショッピングモール(イメージ)  そのほかには来年1月にロボット事業の専門会社を東京に設立。3月1日にはHTBの入口ゲート横の918平方メートルの敷地に商業施設「ハウステンボス ショッピングモール(仮称)」を開業する。鉄筋平屋建ての建物2棟からなる施設で、延床面積は561平方メートル。家電やブランド品を取り扱う免税店「EISAN」や「カステラ本家福砂屋」など4店舗のテナントが入居する。さらに、3月以降には園内に7つ目の「王国」となる「夢と冒険の王国」も開業する(関連記事)。

 なお、この日の会見には今年4月から電力の販売を開始したHTBエナジーの代表取締役社長を務める早坂昌彦氏も出席。16年9月期の売上高は5億7000万円で、17年9月期は80億円をめざすという。都市ガス販売事業への参入も検討する。