インタビュー:マリアナ政府観光局GMの一倉隆氏
近さ・気軽さで新しい旅を提案
キーワードは「3つの3」
10月から新たにマリアナ政府観光局(MVA)の日本事務所業務を受託したアクセス。同社代表取締役社長でMVAジェネラルマネージャーに就任した一倉隆氏は、かつてハワイ州観光局(HTJ)日本代表も務めた経験を持っており、再びのビーチリゾートのプロモーションに向け意欲に燃える。航空座席の維持、そして増加など課題の多い北マリアナ諸島をどのように復活させるか、戦略を聞いた。
-日本事務所の体制はどのようなものでしょうか
一倉隆氏(以下、敬称略) アクセスとしてはこれまで、ブロードウェイ・インバウンドやタージホテルズリゾーツ&パレスの代理店業務は担ってきたが、デスティネーションは初めて。MVA以外にも手を挙げたことはあるが、ビーチリゾートの経験が活かせる、一番良いところに着地したと考えている。小さな会社であり、MVAに専念する。
私に加えて岡部恭子、嶋田正則、澤田ゆかの3名がおり、私以外の3名は専従する。特に岡部は、過去7年間にわたってラスベガス観光局日本オフィス代表を務めた実績があり、複数のカジノリゾート開発計画が進むマリアナでも知見の発揮を期待している。また、モルディブで2年間勤務するなど「海」のデスティネーションの経験もある。
-現在の市場環境についてご認識をお聞かせください
一倉 北マリアナ諸島への旅行市場は1997年が最盛期で、日本を含めて全世界から70万人超のお客様が集まり、なかでも日本人は45万人弱に達していた。
しかしその後は下降線をたどり、昨年はいよいよ10万人を割り込んだ。さらに、昨年の秋からデルタ航空(DL)が減便したため、今年はさらに厳しく6万人程度と予想している。一方で、中国と韓国は追い風が続いており、今年はそれぞれ20万人近い規模に達する見通しだ。
こうしたなかで、日本市場での観光局の活動としては、大変失礼ながらデスティネーションの具体的なプロモーション方針が見えなかった。
我々は今回、サイパンは他のデスティネーションと何が違うのか、というところから検討を始めた。正直にいって私も行ったことがなかったためすぐに渡航したのだが、3時間で行くことができ非常に楽だというのが第一印象で、海もハワイよりもきれいなほど。
また、島全体もコンパクトで、15時過ぎに便が到着すると16時にはレンタカーをピックアップでき、空港を出てから北部エリアで視察をしてガラパン地区に戻っても18時頃だった。そして、そんな短い時間でも自然の美しさに感動する。
2泊3日でも十分に魅力を感じられるデスティネーション、これが残念ながら伝わっていないと考えている。