日光にリッツ・カールトン、20年開業へ-東武がマリオットと契約
東武鉄道とマリオット・インターナショナルは11月7日、2020年の夏に栃木県日光市の中禅寺湖畔に「ザ・リッツ・カールトン日光」を開業すると発表した。東武グループが今年1月まで営業していた「日光レークサイドホテル」を取り壊し、新たに建設するもの。新ホテルの経営は同グループが17年以降に新設する100%子会社、運営はマリオット・インターナショナルが担当する予定で、7日にマネジメント契約を締結した。2社によれば、外資系のラグジュアリーホテルが日光で開業するのはこれが初めて。17年春から旧ホテルの解体を開始し、翌春から建設を開始する計画だ。
新たなホテルの敷地面積は約1万9000平方メートルで、延床面積は約1万3000平方メートル。鉄筋コンクリート4階建てで、客室数は94室を予定する。このうち84室は50平方メートル以上のスタンダードルームで、10室は100平方メートルから200平方メートル程度のスイートルーム。日光湯元温泉の湯を引いた露天風呂付きの大浴場、2軒のレストラン、バーラウンジ、ジム、スパなども設ける。宿泊料金は未定だが、東武鉄道によれば他のザ・リッツ・カールトンのホテルと同様のレベルになる見込みだ。
同日に開催した記者会見で、東武鉄道取締役社長の根津嘉澄氏は「世界最高水準のサービスを提供できるホテルで、世界中から日光への旅行需要を喚起したい」と意欲を示した。特に富裕層をターゲットに国内外の旅行者の取り込みをはかる考えで、宿泊客の3割から4割が訪日客、6割から7割が日本人となる見込み。また、FITが宿泊客の7割を占めると予想する。
東武鉄道は今年9月に日光でリゾートホテル2軒を運営する金谷ホテルを買収したところで、現在は東武グループとして「日光金谷ホテル」「中禅寺金谷ホテル」「日光アストリアホテル」の3軒を運営中。根津氏は、金谷ホテルでは「伝統と格式」を打ち出し、日光アストリアホテルでは「良質な天然温泉と値ごろ感」をアピールしてで差別化する方針を説明。「多様化する旅行者のニーズを満たしたい」と語った。