JTB、海外旅行事業を再編、TPIとアールアンドシー統合も
ジェイティービー(JTB)は2017年4月1日、海外旅行事業を再編する。JTBワールドバケーションズに、JTB首都圏の東日本海外旅行仕入販売部を統合し、仕入れと商品造成を一体化した新会社として「JTBワールドバケーションズ」を設立する。
これまでのJTBワールドバケーションズはルックJTBを中心とした海外旅行商品を手がけてきたが、統合後はそれに加え、JTBグループの海外旅行事業を統括する機能と、首都圏での団体、メディア、パッケージ、FITについての航空座席仕入れ機能を担う。
また、トラベルプラザインターナショナル(TPI)、トラベルプラザインターナショナル中部、ティーピーアイ西日本とアールアンドシーツアーズを統合し、こちらも「トラベルプラザインターナショナル」として設立する計画。いずれもBtoB取引を事業の柱としつつ、TPI3社が業務渡航向けを含めた国際航空券を主力とするのに対してR&Cはリゾートに強く、相互補完的な関係と判断した。
ただし、社名についてはJTBグループ以外の旅行会社が「JTB」の文字が入る会社との取引を避けようとする場合もあることから、JTB広報室によると変更も視野に入れているという。
新会社の事業規模は、新JTBワールドバケーションズが資本金10億円で従業員数約800名、新トラベルプラザインターナショナルが資本金2億1000万円で従業員数約400名となる見込み。売上規模は前者が約2154億円、後者が約687億円。
なお、JTBグループでは、海外旅行市場での成長に向けた戦略を練り直しているところ。JTB代表取締役社長の高橋広行氏は9月23日に開催されたツーリズムEXPOジャパン内のシンポジウムで、リスクを負う形での仕入れを強化していると語るとともに、「リアルエージェント」の生き残り策として、安心安全の確保やパッケージツアーでの着地型コンテンツの充実、価格変動型パッケージの強化などを列挙。JTB広報室によると、今回の統合もこうした動きの一環だ。