関空、従業員30人超が麻疹に、空港や府が拡大防止に注力
関西エアポートによると、このほど関西国際空港で働く従業員が麻疹(はしか)に感染した。大阪府の発表では8月31日の時点で麻疹ウイルスの陽性反応があった人は16人だったが、9月2日には31人に増加している。内訳はグランドハンドリング業務などを担当するCKTS社の従業員が29人、航空会社と関西エアポートのグループ会社の従業員が1人ずつ。
麻疹は感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水など風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後に39度以上の高熱と皮膚の発疹などが現われる。また、1000人に1人の割合で脳炎が発症し、同じく1000人に1人の割合で死亡する可能性がある。感染力は強く、患者との接触や患者のせきの飛沫などに加えて、空気感染でも感染し、免疫を持たない人はほぼ100%発症する。国立感染症研究所は、アジアなどの流行国に渡航する前には予防接種をおこなうよう呼びかけている。
感染の広がりを受けて関西エアポートは、空港内の事業者の従業員に対し、予防接種の有無の確認すること、症状が現れた場合は勤務を自粛すること、医療機関を訪れる際には泉佐野保健所に相談することなどを呼びかけている。
空港の利用者に対しては、公式ウェブサイトやターミナルビル館内のポスターなどで注意喚起し、最初の感染者が発生した8月17日以降の利用者に対して、症状が現れた場合は医療機関に連絡して指示に従うよう呼びかけている。問い合わせ用の専用電話とメールアドレスも用意した。
同社広報によれば、集団感染の発表による空港利用者の減少は「今のところない」という。今後は大阪府や泉佐野保健所、厚生労働省などの関係機関と協力し、引き続き拡大の阻止に努める方針だ。