フィジー、航空協議合意に期待、FJ再就航は「最短で18年夏」

  • 2016年8月21日

ナダロ氏  フィジー旅行のサプライヤーなどで構成するフィジー観光促進協議会(FTDA)はこのほど、旅行会社などを対象に「フィジーセミナー」を開催した。冒頭で挨拶をおこなった在日フィジー大使館一等書記官のイシケリ・ナダロ氏は、7月に開催された日本とフィジーの航空当局協議により、乗入便数などが拡大されたことを説明し、「近い将来に直行便の運航が再開され、フィジーへの訪問者数が増加すると期待している」と語った。2国間の定期便については、2009年にフィジー・エアウェイズ(FJ)が成田/ナンディ線を運休して以来、運航されていない。

 7月の航空当局協議では、両国の航空会社の乗入便数を現行の週2便ずつから週3便ずつに増やすことで合意。19年冬ダイヤ以降には週4便ずつまで拡大する計画だ。また、これまでは成田と関空、ナンディに限定していた乗入空港を自由化し、日本は羽田以外の全空港、フィジーはすべての空港に就航できるようになった。

日埜氏  FJ日本地区総代理店を務めるエア・システムで旅客部営業係長を務める日埜貴之氏は、本誌の取材に応じて「合意されたことは非常に嬉しい」とコメント。ただし、現時点では「直行便の再開に向けた具体的な進捗はない」とのことで、「17年中の再開はありえず、最短でも18年の夏頃になると思う」と見通しを説明した。

 現在、日本からフィジーへは、香港やシンガポールでFJのナンディ線に乗り継ぐルートや、ニューギニア航空(PX)を利用するポートモレスビー経由のルートなどがある。日埜氏は「香港線は中国人利用者が多く、利用率が9割を超えているため、シンガポール線の方が席を取りやすい」と説明し、今後はシンガポール/ナンディ線のアピールを強化する方針を示した。

 セミナーではこのほか、フィジー大使館観光・商務官の川端郁代氏もプレゼンテーションを実施し、FJが撤退した09年以降、日本人旅行者が減少傾向にあることを説明した。近年はシニアの訪問が増加しているものの、07年のピーク時に2万2718人を記録した訪問者数は、15年は6092人にとどまっているという。

 川端氏はフィジーの魅力として「時差が少ない」「物価が安い」「治安が良い」「世界一のホスピタリティ」などを列挙。特にホスピタリティについては、リオデジャネイロオリンピックの7人制ラグビーでフィジー代表が金メダルを獲得した際、選手達が授与式で跪いてメダルを受け取ったエピソードを紹介。「フィジー人は相手を尊敬する精神を持っている。世界一のホスピタリティで皆様をお迎えする」と強調した。