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全日空のコールセンターが通話記録を紛失、情報流出か

  • 2016年7月19日

 全日空(NH)によると、同社が予約・案内センターの業務を委託するグループ会社のANAテレマートはこのほど、2016年4月から5月までの顧客との通話の一部を記録したUSBメモリ1本を紛失した。ANAテレマートはANAホールディングスの100%子会社で、NHの航空券予約やANAマイレージクラブのコールセンター業務を担当している。

 紛失したUSBメモリーには、社内教育で使用するために録音した235件の通話の音声データが保存されていた。NHによれば氏名や電話番号などの情報が記録された、個人を特定される可能性のある通話が53件含まれるという。

 ANAテレマートは、通常はUSBメモリーを施錠可能なキャビネットのなかに保管。6月13日まではUSBがキャビネットに返却されていることをスタッフが目視で確認していたが、翌日に利用しようとした際に紛失が発覚したという。NH広報によると、ANAテレマートからの報告が遅くなったため、約1ヶ月遅れの発表となった。

 NH広報室によれば、セキュリティが施された事業所のなかでANAテレマート社内の関係者のみが取り扱っていたことから、セキュリティに関する意識が低下し、台帳での管理やパスワードによるデータの保護など、十分な管理体制を構築していなかったことが原因。個人を特定される可能性がある53名には、7月19日から個別に状況報告と謝罪をおこなっている。

 今後は再発防止策として、個人を特定できないよう通話記録に音声加工を施すとともに、USBメモリを保管する際は、貸出時の責任を明確化するために、台帳で管理する。加えて、情報管理に関する社内規定に沿って業務がおこなわれていることをANAグループ全社で総点検し、必要に応じて是正するという。