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週間ランキング、1位は新約款、羽田米国線も決定

[総評] 今週は、新たに認められるようになった約款についての記事が1位になりました。2位は羽田米国線の傾斜配分でこれも多くのアクセスが集まりましたが、約款の注目度がそれを上回ったということは、トラベルビジョンが旅行会社で働く皆様に読んでいただいていることの証明であると感じ嬉しく思います。

 新約款は、インセンティブツアーなど法人顧客との契約時に従来の上限を超える取消料を設定できるようになるものですが、最近はこれ以外にも新しい約款がこの数年で相次いで導入されています。具体的には一昨年の「受注型実額精算約款」と昨年の「募集型ペックス約款」で、いずれもサプライヤーから課される違約金のシステムと標準旅行業約款の取消料規定のギャップを少なくしようとするものです。

 消費者目線で考えると従来よりも条件が厳しくなるわけで、場面によってはご納得いただくのに苦労するかもしれません。しかし突き詰めれば、商習慣の異なる海外の企業を相手に柔軟に対応できるようにしておかないと、インバウンドにせよアウトバウンドにせよ日本の観光産業に明るい未来はなく、そうなってしまえば消費者が継続してより良いサービスを受けることはできなくなりますので、きちんとご説明しご理解をいただきたいところです。

 さて、次に2位の羽田米国線は日本側の配分が決定したもので、6枠のうち4枠を全日空(NH)、2枠を日本航空(JL)が受け取りました。2014年夏ダイヤに続く「傾斜配分」です。

 2社の2016年3月期決算を比較すると、営業利益で700億円以上の差が出ており(NHJL)、しかも売上高営業利益率はNHの8%に対してJLが16%と大きな開きが出ていますから、判官贔屓をせずともNHを優遇することは妥当と感じられます。

 しかし残念だったのは、前回の傾斜配分の根拠となった理屈が軽んじられた、というかまったく踏襲されなかったことです。行政にとって連続性や合理性は極めて重要なものであるはずにも関わらず、「差が付けばなんでもいい」とでもいうような姿勢で、もはや潔さすら感じます。優秀な頭脳が集まっているのですから屁理屈でも筋くらい通せそうなものですが、そうしてはいけない理由でもあるのでしょうか。

 なお、NHはこの枠を使ってニューヨークとシカゴに就航することを発表しています。おそらく、この決定は米国側の配分にも影響を与えるでしょう。

 また、今週はスカンジナビア航空(SK)もNHの国内線との接続利便性を期待して羽田への就航意欲を示しており、一方では香港エクスプレス(UO)が成田線のトリプルデイリーへの増便を発表しているところで、インバウンド需要の拡大も背景としてますます路線ネットワークが充実していくことが期待されます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年05月06日0時~05月13日18時)
第1位
新たに「受注型BtoB約款」、上限超える取消料が可能に(16/05/10)

第2位
羽田米国線枠、NHは夏前に新路線発表-JL「最後の是正に」(16/05/08)
全日空、羽田/ニューヨーク、シカゴ線開設へ、冬ダイヤから(16/05/12)

第3位
OTAセミナー開催、客室の仕入れ・販売の課題を議論(16/05/10)

第4位
ハワイアン、羽田深夜枠の早期配分を要請、「無競争」理由に(16/05/09)

第5位
JALグ、15年度は営利経利が過去最高-中計目標を達成(16/05/08)

第6位
ロサンゼルス、日本事務所を閉鎖、CWWに業務委託(16/05/08)

第7位
KNT個人、有楽町営業所を刷新、海外・国内店舗を統合(16/05/08)

第8位
香港エクスプレス、成田線1日3便に-石垣など3路線新設も(16/05/08)

第9位
スカンジナビア航空、羽田線就航に意欲、地方需要獲得に向け(16/05/11)

第10位
エクスペディア、訪日拡大で宿泊仕入強化、旅館や自治体と協力(16/05/10)


※除外した記事(本来は10位以内にランクイン)
 ◆春闘:KNT中国四国、JTBグ労連(16/05/08)