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ウズベキスタンセミナー開催、チャーター成功で認知度向上へ

  • 2016年4月27日

日本ウズベキスタン・シルクロード財団のマンスール氏  日本ウズベキスタン・シルクロード財団はこのほど、観光庁や日本旅行業協会(JATA)、駐日ウズベキスタン大使館、ウズベキスタン国営航空(HY)の協力のもと、旅行会社向けに「シルクロード・ビジネスセミナー第4回<観光>」を開催した。同財団は日本とウズベキスタンの2国間において、文化や経済、学術、観光などさまざまな分野の交流と振興をはかる団体で、これまでには経済や投資、医療などをテーマに同様のビジネスセミナーを開いている。

 同財団代表理事のバヒリディノフ・マンスール氏は、「ウズベキスタンへの日本人訪問者数はまだ少ないが、我が国には4つの世界遺産など魅力的な観光資源が多数あり、旅行者への新たな選択肢になりうる」と述べ、「日本は成長市場と考えている」と意欲を示した。駐日ウズベキスタン大使館によれば、観光や商用などで同国のビザを申請する日本人は毎年約7000人に上る。同財団では20年から22年までを目途に、ウズベキスタンを中心とする中央アジアへの日本人訪問者数を3万人にまで拡大したい考え。

ワールド航空サービスの松本氏  セミナーでは、ワールド航空サービス代表取締役社長の松本佳晴氏が、昨年10月にウズベキスタンの国営旅行会社であるウズベクツーリズムとJATAなどがMOUを締結したことにより実現した、チャーター便利用ツアーについて報告をおこなった。同ツアーはHYの定期便を利用したブロックチャーターとして、成田/サマルカンド間を直行便で4本運航するもので、ワールド航空サービス、JTBワールドバケーションズ、阪急交通社、エヌオーイー(NOE)の4社が4月から5月にかけて実施しているところ。

 松本氏によればチャーター便は当初、4月中に3本のみ運航する予定だったが、販売開始の翌月には各社ともにツアー商品を完売。好評を受けてワールド航空サービスが急遽、5月6日発のチャーター便を追加で用意したという。各社の販売人数はワールド航空サービスが564人、JTBワールドバケーションズが200人、阪急交通社が216人、NOEが20人の計1000人。同氏は「今回のチャーターツアーでは150名から200名程度を予想していたが、これほど強い関心を集めるとはまったくの想定外だった」と喜びを示した。

観光庁の高築氏  観光庁国際関係参事官付観光渉外官の高築浩一氏は、MOUの締結から半年後にツアーが実現したことについて、「官民が連携し、しっかりとフォローアップができている」と評価し、「ベストプラクティスの1つと認識している。この流れが旅行会社によるさらなる商品造成につながれば」と期待を示した。

セミナーの様子  そのほかにはマンスール氏が、国土交通省が08年に日本人の海外旅行経験者1119人を対象に実施したマーケティング調査の結果をもとに、日本人旅行者の傾向について分析。同調査では対象者のうち46.9%が「ウズベキスタンに興味・関心を持っている」と回答した一方で、何らかの知識を持っている人は22.9%にとどまっており、マンスール氏は「まずは認知度の向上をはかり、ファンを創造・拡大する必要がある」と強調した。

 認知度向上と需要喚起に向けてマンスール氏は「魅力的な商品を開発することで、旅行者の興味や関心の接点を増やす必要がある」と説明。ウズベキスタンの観光資源としてシルクロード、ブハラなど4つの世界遺産、砂漠と近代的な都市などが共存する多彩な景観、麺料理の「ラグマン」をはじめとする食文化などを紹介。また、親日家が多く治安が良いこともアピールし「世界情勢が不安定ななか、ウズベキスタンは旅先としてベストな選択肢」と参加者に呼びかけた。