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【熊本地震】旅行各社、22日まで取消料無料、クラツーはGW不催行

  • 2016年4月18日

 4月14日夜に熊本県で発生した地震により、大手旅行会社各社は22日出発分まで、無料で募集型企画旅行のキャンセルを受け付けるなど対応を進めている。熊本県に加えて、一部の宿泊施設や観光施設に被害が発生している大分県や宮崎県の高千穂エリアについても取消料を無料としている会社も多い。なお、各社とも利用する交通機関が運休する場合は、ツアーの催行を中止する。

 ジェイティービー(JTB)は、熊本県、大分県、宮崎県の高千穂地域での宿泊を伴う募集型企画旅行について、4月22日出発分まで取消料を免除する。九州発着の航空便を利用するツアーや、JR九州の不通区間を含むツアーについては、航空各社とJRが取消料を免除する場合は取消料を収受しない。訪日旅行については個別対応を継続する。

 なお、同社は電話での質問や申し込みに対応するコールセンター「JTB旅の予約センター」の臨時休業を決定した。同センターが熊本県にあるためで、利用者には近隣のJTB店舗を利用するよう呼びかけている。また、インターネット経由の予約などの対応窓口である「i.JTB HTA販売センター」についても、熊本県にあるため回答が遅れることがあるという。このほか、国内宿泊や海外・国内ツアーのメールでの申込受付を一時的に停止した。

 KNT-CTホールディングス各社(クラブツーリズムを除く)は九州への募集型企画旅行について、22日出発分まで交通や宿泊施設を利用できない場合は不催行とし、それ以外は無料でキャンセルを受け付ける。一般団体については個別に対応する。今後は引き続き、余震や被害の状況などを見ながら対応していくという。

 クラブツーリズムは5月10日出発分まで、熊本県内、大分県の由布院温泉、高千穂での宿泊または観光を行程に含むツアーの催行を中止。旅行者がゴールデンウィークの予定を立てやすいように、ゴールデンウィーク期間いっぱいを不催行にしたという。九州新幹線と熊本発着の航空便を利用する九州方面のツアーについても同様に対応する。また、熊本県と大分県に在住する顧客の海外・国内旅行について、5月10日出発分までを対象に無料で取り消しまたは変更を受け付ける。

 日本旅行は、国内の募集型企画旅行で熊本県、大分県、宮崎県高千穂エリアでの宿泊を伴う商品、九州新幹線を利用する商品、九州発着の航空便を利用する商品を対象に、22日出発分まで無料でキャンセルを受け付ける。同社によれば、旅行者からのキャンセルが増加しており「先行きが不透明な状況。ゴールデンウィークへの影響が懸念される」という。

 阪急交通社は、熊本県と由布院温泉を主な目的地とする添乗員同行ツアーについて、22日までの催行を中止。同地域を含む周遊ツアーについては変更や中止などを個別に検討する。熊本県在住の顧客の旅行については、22日出発までの海外・国内旅行について、取消料を収受せずにキャンセルを受け付ける。

 エイチ・アイ・エス(HIS)は熊本県および大分県での宿泊を伴うツアーと、熊本発着、大分発着のツアーについて、22日まで取消料を収受せずにキャンセルを受け付ける。23日以降の対応方針については近日中に発表する予定。ハウステンボスについては、大きなキャンセルの動きは出ていないという。

 このほか、楽天は4月15日から22日までの間に九州の全空港に発着する「ANA楽パック」について、取消料を収受せずにキャンセルを認めることを発表。4月23日から5月8日までについては熊本空港に発着する商品について、同様に対応する。国内宿泊単品の予約のキャンセルについては、各宿泊施設が定めるキャンセルポリシーに準ずるとしている。