全日空、ブリュッセル線再開、旅行会社もツアー実施
全日空(NH)は4月11日、3月22日のブリュッセル空港での爆弾テロ事件発生以来運休していた、成田/ブリュッセル線の運航を再開した。NH広報室によれば、成田発便は総座席数169席に対し、乗客は幼児1名を含む121名で、搭乗率は71.0%。ブリュッセル発の予約人数は幼児1名を含む72名だったという。
NHではブリュッセル発便については空港の混雑などを予想し、搭乗手続きを出発予定時刻の3時間前から開始。自動チェクイン機が利用できないため、利用者にはあらかじめ航空券を印刷するよう求めている。
同社によれば、ブリュッセル市内から空港までの交通手段は車、タクシー、バスのみで、空港入口には車両検問所が設置されている。ターミナルビルへの入場は、地上階のバスターミナル横にある仮設施設からのみ可能で、乗客は入口で航空券を提示し、所持品検査所を通過した後に暫定チェックインカウンターでチェックインをおこなう。
荷物はチェックインカウンターで預けることが可能で、チェックインの優先レーンは設けていない。地上階から3階の保安検査場まで移動する際には階段を利用することになるが、NHでは車椅子の利用者や子供連れ、高齢者などでエレベーターを利用した人については、係員に申し出るよう呼びかけている。なお、送迎者のターミナルビルへの入場は認められていない。
NHでは3月22日から5月10日まで、同路線を含む航空券について無料で払い戻しを実施。3月22日から4月10日までの運休便の航空券と、4月11日から5月10日までの便を含む一部使用済み航空券の保持者に対しては、1回のみ予約の変更を受け付ける。ただし、他社便や他社運航のコードシェア便への変更は対象外で、変更後の搭乗日は5月31日まで。払い戻しや変更については、ANAマイレージクラブ会員向け、会員以外、ベルギーからの問合せ先をそれぞれ設けた。旅行会社で購入した場合は旅行会社に問い合わせるよう呼びかけている。
▽旅行会社もツアーを再開
旅行会社各社も、4月から順次ツアーの催行を開始した。ジェイティービー(JTB)では、テロ発生直後はブリュッセルを含むツアーを中止していたが、4月1日以降は通常通りツアーを開始。欧州行きのツアーに対するベルギーのテロ事件の影響については「お客様からは大きな(数の)キャンセルは出なかった」という。
阪急交通社では4月7日からNH便以外を利用するツアーや陸路でベルギーを訪問するツアーを、11日からNH便を利用するツアーをそれぞれ再開した。ツアーのキャンセルについては「それほど多くない」という。日本旅行では、テロ発生直後に催行を予定していたツアーはなく、4月9日のツアーが発生後の第1弾で通常通り催行。同社の場合、オランダ発着でベルギーを訪れるツアーのみで、ベルギー国内の空港を利用するツアーはなかったことから、空港の閉鎖の影響は受けなかった。
HISでは、テロ発生直後から空港の閉鎖状況などにあわせて個別の対応を実施。3月23日のツアーは空港が閉鎖されていたため不催行としたほか、4月上旬に出発したツアーについては、当初はブリュッセル空港を利用する旅程としていたが、往復でアムステルダムを利用する旅程に変更した。
JALパックでは、ヘルシンキ経由でブリュッセル空港を利用するツアーについては催行を中止しており、再開は未定。一方、フランクフルトからアムステルダム経由で、バスなどによりベルギーを訪問するツアーについては再開している。ANAセールスもツアーを再開しており、4月14日にはNH直行便を利用した添乗員同行のツアーを催行するという。5月10日までに出発する、成田/ブリュッセル線を利用する、またはブリュッセルに滞在するコースについては、取り消しを申し出た場合は無料でキャンセルできることとしている。