オーストリア航空、9月に日本から撤退-中国路線を強化
オーストリア航空(OS)は2016年9月4日の成田発ウィーン行き便を最後に、日本路線から撤退すると発表した。OSは1989年から成田/ウィーン線を運航しており、16年夏ダイヤでは1日1便で運航している。
OS日本支社によれば撤退の理由は「より高い収益性を見込める路線で機材を有効活用することにより、企業として健全な財務状況を維持することが必要不可欠との結論に至った」ため。OS本社が発表したプレスリリースでは、理由として円安の継続や日本の景気の低迷、価格競争の激化などを挙げ「日本路線はOSにとって不採算路線になった」と説明している。
OSでは成田線の運航を停止する一方、中国市場の成長を踏まえて中国路線を増加する方針。4月4日から上海(浦東)/ウィーン線の運航を週5便で開始し、5月1日からはデイリー化する。さらに、9月5日からは香港/ウィーン線に週5便で就航する予定だ。OSはそのほか、アジア/ウィーン間についてはバンコクから週7便、北京から週5便、カザフスタンのアスタナから週3便を運航している。
OS日本支社では旅行会社などに対し、4月7日付けで運航停止を知らせる案内状を送付。9月4日以降の予約については、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)やスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)などの他社便に振り替える予定だ。日本支社については9月30日で営業を停止する。
なお、1976年から日本市場向けのプロモーション活動を継続しているウィーン市観光局は、今回の成田線の運航停止に関して「OSとの緊密で重要なパートナー関係を存続できなくなることを非常に残念に思う。同時に企業としての決断を尊重する」とコメント。15年にウィーンを訪れたアジアからの旅行者の宿泊数については、日本人が最も多かった旨を説明し、今後も日本市場で積極的に活動していく方針を示している。