海外旅行業況、欧州低迷も1ポイント増に、豪州など好調
日本旅行業協会(JATA)が2月8日から24日にかけて、会員585社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2016年1月から3月までの海外旅行のDI値(※)はマイナス39ポイントとなり、前期(15年10月~12月)から1ポイント上昇した。旅行会社からは、昨年11月にパリで起きたテロ事件以降、ヨーロッパの需要が低迷しているものの、新規路線が就航したオーストラリアなどが好調に推移したとの声が挙がったという。
業態別では「リテーラー1」が18ポイント増のマイナス39、「海外旅行ホールセラー」が8ポイント増のマイナス53、「リテーラー2」が1ポイント増のマイナス36とそれぞれ上昇。一方、「総合旅行会社」は3ポイント減のマイナス71、「インハウス」は3ポイント減のマイナス22、「海外旅行系旅行会社」は12ポイント減のマイナス18となった。
方面別で見ると、ヨーロッパが29ポイント減のマイナス72と大幅に減少したものの、そのほかの方面はすべて増加。最も成長したのはオセアニアで17ポイント増のマイナス17となり、次いでミクロネシアが13ポイント増のマイナス24、ハワイが10ポイント増のマイナス3、韓国が同じく10ポイント増のマイナス64となった。
顧客層別では、学生が13ポイント増のマイナス48と2桁増。このほか、インセンティブが7ポイント増、ファミリーが5ポイント増、ハネムーンが4ポイント増などと続き、4ポイント減だった商用・視察以外のすべての層が増加または前年並みとなった。
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※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱いなし」の4つを用意し、集まった回答を数値化したもので、設問事項に対する全体的なトレンドを示す指標となる。すべての回答が「良い」の場合はプラス100。JATAの調査では、JATA会員会社にアンケートを実施し、業態、顧客別、方面別にDI値を算出している。