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年頭所感(2)新たな提案で収益基盤強化、さらなる成長の1年に

▽日本旅行代表取締役社長 丸尾和明氏

 2016年は当社が12年に策定し、13年度から実現に向け取り組んできた中期経営計画「ACTIVE2016」の最終年度にあたる。

 15年は同計画のアクションプランに基づく取り組みを一丸となって進めた結果、さまざまな課題はあったが、教育旅行、MICE、BTM、インバウンド、インターネット販売の中核分野はもとより、国内個人旅行の赤い風船や団体営業全体で着実な成果を得ることができた。しかし、海外個人旅行は中東やヨーロッパの情勢不安などの影響により、スタート時から厳しい状況に直面した。

 こうしたなか、新たな決意で16年の事業計画の達成に向け取り組みを開始するが、それぞれの目標を実現する計画をしっかりと立て、PDCAサイクルを回していく。加えて、創業者南新助の行動と理念である「マーケットイン」と「チャレンジ精神」をもとに、「お客様の求める価値を実現していく」というDNAを全社員が継承し、具体化していくことが重要だと考えている。

 16年は事業計画のゴールの年であり、次のステップに向けた重要な年でもある。経済環境や国際情勢などの変化や他社との競合など道のりは険しいが、マーケット環境とお客様のニーズをしっかり捉え、確固たる収益基盤を確立する。あわせて活力ある企業グループを作り上げるべく、継続的に発展する日本旅行グループを全社員の力で築き上げていく。


▽エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役社長 平林朗氏

 HISグループは今年、市場の拡大が予想されるアジア地域において、各国の見本市への出展やプロモーションの強化、多店舗展開を積極的におこない、日本を含む各地域の魅力を世界に届け、各国のお客様へのアプローチを継続していく。

 また、中国OTAの同程旅遊や韓国のインターパークとの合弁会社で新たなチャンネルを開拓するなど、環境の変化に対応する。多くの訪日旅行者にご利用いただき、グローバルな規模で「ワクワクと感動」を提供できるよう取り組んでいきたい。

 テーマパーク事業では、ハウステンボスとラグーナテンボスで、期待を超える感動や驚きを提供できるよう、さらなる進化をめざしていく。ハウステンボスは、最先端の技術を駆使して世界最高水準の生産性を実現した「変なホテル」の2期棟の建設など「観光ビジネス都市」をめざす。ラグーナテンボスでは花と水とアートが融合した庭園「フラワーラグーン」の開業のほか、新たな分野におけるチャレンジも引き続き実行していく。

 国境の垣根を超えて世界中の旅行者にご支持いただけるよう取り組むことに加え、世界市場の中心で創造的な未来を描き、発展を続ける。グループ全体でさらなる挑戦に注力していきたい。


▽阪急交通社代表取締役社長 松田誠司氏

 2015年は海外旅行者数と訪日旅行者数が逆転した。訪日旅行の急激な増加は我々にとって大きな商機であることに加え、日本経済全体がその恩恵を享受している。一方、訪日旅行の増加で都市部を中心にホテルの客室稼働率が上昇し、国内旅行ではホテルの確保が厳しくなっている。バスも同様の状況だ。

 また、お客様のウェブへのシフトというトレンドにより、国内・海外旅行においてホテルや航空券などの単品購入がますます増加傾向にある。従来の旅行会社はどのようなコンテンツをお客様に提供するのかが課題となっている。

 海外旅行は円安基調で伸び悩むなか、パリで発生した同時テロ事件のような外的要因も想定した上で、今後も成長し続けていかなければならないという現実に直面している。安全対策を講じた上でお客様に海外旅行を楽しんでいただくために、企業として知恵を絞って対策を講じていくことが必要だ。

 16年は北海道新幹線開業や伊勢志摩サミット、リオ五輪、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録予定など、内外で旅行素材の話題が目白押しだ。変化の厳しい時代こそ旅行会社の存在意義が問われる。お客様の声に耳を傾け、お客様に受け入れていただける旅行サービスの提供に心を尽くし、社会に必要とされる骨太企業でありたいと考えている。


▽ANAセールス代表取締役社長 白水政治氏

 全日空(NH)は2016年に国際線就航30周年を迎える。海外旅行においては、販売から10年目を迎えるダイナミックパッケージの「旅作」で、海外の航空会社との提携による販売や、サービスを拡充することで、需要を積極的に取り込んでいく。また、ISILの影響によりテロへの不安が高まっているが、お客様に正確な情報をお伝えし、安心して旅行に参加していただけるよう、最大限に努力していく。

 NHでは今年の4月より、成田/武漢線の新規就航を予定している。武漢は中国における11番目の就航都市。中国における新たなマーケットを開拓し、お客様へ上質な旅の提案をしていきたい。

 国内旅行では昨年、若手女性社員のプロジェクトにより、大人女子におくる旅「Decollage(デコラージュ)」を発売した。今後はさらに、スポーツ・ツーリズムなどの目的型商品の開発や、高付加価値な旅を求めるお客様をターゲットにした商品も開発し、品質向上とサービス提供に取り組んでいく。

 訪日外国人の数は今年もさらに増加することが予想される。当社はANA海外・国内支店のネットワークを活用し、訪日外国人の誘客に向け全国の自治体とも連携しながら地方創生に貢献していく。これまで以上にお客様に「安心の品質」をご提供できるよう、全社員一丸となって努めていきたい。

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