近畿日本ツーリスト（KNT）は今年の冬、朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト「A-port」と提携し、クラウドファンディングサイト「ミライトラベル」を開設する。クラウドファンディングは、プロジェクトの起案者がウェブサイトで世間にアイデアをアピールし、共感した人から広く資金を集める方法。ミライトラベルでは「旅」と「地域活性」をテーマに、各種プロジェクトの資金調達をはかる考え。同社によると旅行会社がクラウドファンディングのためのウェブサイトを開設するのはこれが初めてだという。

　KNTでは朝日新聞社との提携により、同社の編集力や発信力を活かしたい考え。また、朝日新聞社にとっては、KNTの旅行企画のノウハウや全国ネットワークを活用できるメリットがある。

　具体的には、「ミライトラベル」のサイトで「特定の場所でイベントを開催したい」「地域の伝統を学ぶために、それを保持するための資金を集めたい」といった、旅と地域活性に関連するプロジェクトを掲載し、資金調達をはかる。クラウドファンディングのシステムは「A-port」を利用。「A-port」やKNTの公式ウェブサイトからリンクを貼り、誘導する。掲載する企画については、近日中にKNTのウェブサイト内で募集する。応募者は一般消費者から地方自治体、自社を含む業界関係者まで幅広く想定しているという。