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ルフトハンザ、旅行会社向けシステム刷新へ、活用呼びかけ

  • 2015年11月19日

LHのイエンス・ビショフ氏  ドイチェ・ルフトハンザAG(ルフトハンザ・グループ)経営役員でルフトハンザ・ドイツ航空(LH)取締役兼COOのイエンス・ビショフ氏は先ごろ本誌の独占取材に応え、旅行会社向けの新予約システムを作成中であること明らかにした。現在はドイツ本国でシステムのテスト作業を実施中で、近日中には市場ごとに順次提供を開始する計画だ。LHによると、日本への導入は来年以降になる見込み。

 LHとスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)、オーストリア航空(OS)の3社は9月1日に、GDSを利用して航空券を発券する際の利用手数料として「Distribution Cost Charge(DCC)」を導入。旅行会社はGDSを利用した際、1回の発券あたり16ユーロを支払うこととなったが、新システムを活用すればDCCを支払う必要はないという。

 ビショフ氏はDCC導入について、インターネットなどのデジタル技術の進化を踏まえれば「適切な時期にサービスの提供を開始できたと考えている」と語った。GDS経由での予約の場合、航空会社の座席の特徴や機内食の内容、運航機材の新旧などの詳細な情報がわかりにくい場合があるが、新システムではそれらの詳細な情報についても提供する考え。同氏は「旅行会社は旅行者に詳細な情報を伝えることが可能となる。我々と直接やりとりすることで、より利便性が高まる」とメリットを挙げた。

 その上で、「DCCは旅行会社にとってマイナスなものではなく、新しいテクノロジーへと誘引するもの」であると強調。「新システムで旅行会社をサポートしていきたい」と語った。

 また、同氏は3社の欧州内路線で導入した、エコノミークラスの新しい料金体系についても説明。各予約クラスに3タイプの料金オプションを設けるもので、座席指定や手荷物の受託といったサービスや予約変更、払い戻しの条件がタイプごとに異なる。ビショフ氏は、「乗客が必要なサービスを選択できるようにすることで、利便性の高いサービスを提供したい」と考えを示した。

 なお、新たな料金体系は現在は欧州路線だけに導入しているが、将来的には中長距離路線でも同様の料金体系を導入する可能性があるという。ただし、LHとの共同事業を実施している路線については「各航空会社とともに検討していきたい」とした。