ANAHDと三重県、観光振興などで協定、「国際的都市」めざす
ANAホールディングス(ANAHD)と三重県は11月16日、同県が掲げる「グローバル化における地方創生」を共通のキーワードとして、包括連携協定を締結した。2016年5月に三重県で開催する伊勢志摩サミットに向けて、以前から取り組んでいる航空宇宙人材育成に関する共同事業や、海外ミッションにおける協力のほか、観光促進や食の販路拡大など、地方創生に向けた取り組みを推進する。ANAHDが県と連携協定を締結するのは今回が初めて。期間は5年間とした。
ANAHDによると16日に三重県で開催した調印式では、同社代表取締役社長の片野坂真哉氏が、伊勢志摩サミットをきっかけに三重県と協定を締結したことに対する喜びを述べた。同氏は、人口が減少し続けている日本では「訪日旅行者数の拡大が不可欠」との見方を示し、海外に対しては「まだ知られていない日本のデスティネーションの魅力を発信したい」とした。
三重県によると、同県知事の鈴木英敬氏は調印式で、協定の締結によりさらなる組織的な協力が可能になったことに期待を示した。今回の協定締結は鈴木氏がANAHDに申し出て実現したもので、同氏は伊勢志摩サミットの開催にあたり、同県を「国際的都市」としてアピールしていくという。
ANAHDでは今後、三重県のグローバル化に向け、MICEやファムトリップの誘致および開催への協力をおこなう。また、観光の振興に向けて旅行商品などを造成するほか、全日空(NH)の機内誌などでも同県の特集記事を掲載する。
さらに、機内食やラウンジなどでは12月から、同県産のや米や海老、ぶりなどの食材を提供。ANAグループの貨物ネットワークを活用し、ASEAN諸国への県産食材の販路拡大などもおこなう。そのほか、航空宇宙人材育成のためのインターンシップや航空教室なども実施する。