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香港と双方向拡大へ、協議会の設置検討-JATAが視察団派遣

  • 2015年10月23日

JATA視察団メンバーと香港側関係者[香港発] 日本旅行業協会(JATA)副会長の菊間潤吾氏によると、日本と香港の間で双方向の交流拡大に向けた定期的な協議の場を設置する方向で検討が始まった。香港では10月22日に、食をテーマとしたイベント「CCB(アジア)香港ワイン&ダインフェスティバル」が開幕しており、菊間氏らJATA海外旅行委員会のメンバーを中心に会員企業の経営陣が視察。このイベントに先駆けておこなわれた香港政府観光局(HKTB)との会合で協議体の設置が浮上したという。

 双方向交流の現状は、香港からの訪日客数が9月までの累計で前年比7割増の110万7000人と大きく拡大している一方、日本から香港への旅行者数は落ち込んでおり、2015年も持ち直しつつあるものの前年を割り込んで102万人前後に着地する見込みだ。

 これに対して菊間氏は、香港が年間360万席規模の航空座席を有するデスティネーションであって「双方向で300万人」をめざすべきと協調。新たに設ける協議体では、まずこの目標実現に向けて、例えばさらなる座席増といった諸課題について議論する場としたい考えだ。

イベント会場の様子 また、苦戦するアウトバウンドを活性化するには新しい香港旅行を提案していくことが重要となるが、菊間氏は食を含めて「相当の魅力がある」ことを今回の視察を通して再確認できたと説明。その上で、香港とマカオをつなぐ橋が来年末に完成予定であることにも触れ、新たな魅力や可能性の研究を重ねていきたいと語った。

 こうした意見は他の視察参加者からも聞かれ、JTBワールドバケーションズ(JTBWV)代表取締役社長の井上聡氏はパンフレット内の食に関する情報を充実したいとコメント。別冊での展開も視野に入れているという。また、ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏も、商品改善の工夫の一例として、「良いホテルがあり、(ミシュランの)星付きレストランも多い」ことから、ビジネスやプレミアムエコノミーを利用した商品を増やす考えを示した。

 このほか、阪急交通社代表取締役社長の松田誠司氏は、経営陣ばかりでなく現場で従事する、特に企画担当者による現地視察を増やす可能性も指摘。また、ホテル指定など顧客目線で利便性の高い商品や、「知識欲や五感に訴えるツアー」も強化していきたいという。

 なお、協議体の詳細は未定だが、HKTBからはすでに積極的に進めたいと歓迎の意向が示されているという。