求人情報

HIS、「旅と本と珈琲」テーマに新店舗-海外旅行の需要喚起はかる

  • 2015年10月6日

本棚は地域別に加え「絶景を瞼に焼きつける」「家族旅行」「女の旅路」などのテーマごとの棚も用意。テーマや本は定期的に入れ替えていく予定。本のPOPはHISの社員が担当  エイチ・アイ・エス(HIS)は10月6日、HIS表参道営業所をリニューアルし、新たなコンセプトを持った店舗として「H.I.S.旅と本と珈琲と」を開業した。「猿田彦珈琲」と、本の制作や流通、本屋と他業種のコラボレーションでの店舗開設などをおこなうBACHの代表でブックディレクターの幅允孝氏と協力して展開するもの。同日に開催したオープニングセレモニーで、HIS代表取締役社長の平林朗氏は、海外旅行者数が減少するなか「海外旅行の販売もおこなうが、それ以上にもっと海外に出かけたくなるような、情緒あふれる店舗を作りたい」と語り、海外旅行の需要喚起に意欲を示した。

(右から)猿田彦珈琲代表取締役の大塚朝之氏、HIS代表取締役社長の平林朗氏、BACH代表でブックディレクターの幅允孝氏  平林氏は本誌の取材に応え、今までのHISの店舗は「旅行先が決まっている人や旅を予約したい人は入るが、それ以外の人に対しては敷居が高い」と指摘。今回の店舗は猿田彦珈琲と協力し、カフェのように「気軽に入れる入りやすさを重視した店舗」であるといい、「世代を問わず、旅に興味がある幅広い人々に利用してもらいたい」考えを語った。今回の店舗をテストケースに、今後は同様の店舗を増やすことを検討しているという。

カフェをテーマに画集や小説など、さまざまな種類の本を集めた  また、HIS関東販売事業部エリアリーダーの白川一城氏は、今回の店舗を「旅行商品を買う場ではなく、まだ見ぬ旅と出会える場と位置づけた」と説明。インターネットでの旅行の予約が増加するなか、店舗の意義を「リアルな場だからこそ、まだ見ぬ新しい出会いが生まれるポテンシャルがある」と強調した。その上で、今回の取り組みが旅行業界にとって「旅のきっかけを創りだす存在へと進化する、1つのスタート地点になりうると考えている」と話した。

猿田彦珈琲では毎月のテーマにあわせたコーヒーに加え、表参道限定で「旅の扉ブレンド」を用意 新店舗では、幅氏が選んだ1500冊の旅にまつわる本を自由に読むことができる場を提供し、旅のきっかけ作りをめざす。本は購入することも可能だ。幅氏は「どこにいくのか決まっていないが旅行がしたい人が来ると、自分にとって楽しい行き先が見つかるのでは」と期待を示した。さらに、店舗内では15ヶ国以上の旅行経験を持つコンシェルジュ9名を配し、旅の相談に気軽に対応できる環境を用意。白川氏は「お客様の頭のなかにある理想を、旅体験へ昇華させたい」とした。

HISのカウンターではコンシェルジュがコンサルティングをおこなう店舗の外観。黄色と茶色のロゴが特徴的   店舗は地下2階、地上2階に展開しており、店舗面積は約73坪。HISのスタッフ約40名と猿田彦珈琲のスタッフ3名程度が顧客に対応する。1階の入り口に猿田彦珈琲の販売カウンターを設け、オリジナルコーヒーなどのメニューを提供。中地下1階には本棚やテーブル、椅子などの休憩スペースを用意した。さらに、AIディスプレイも設置し、HISのCMやゲームなどを楽しめるようなコーナーを設けた。今後は現地の情報も流していく予定だ。

 地下1階にはHISのカウンターを配し、旅行の案内をおこなう。また、地下2階に海外ウェディング&ハネムーン専門セクション「アバンティ&オアシス、中2階にHIS子会社のクオリタと同社のビジネス・ファーストクラス専門セクションの「CLASS ONE」、2階に秘境旅行専門セクション「ネイチャーワールド」のカウンターをそれぞれ設置した。

  さらに、1階入口付近にはプロモーションコーナーを設置し、月ごとのテーマを定めて本を展示。テーマにちなんだ旅行商品の発表や、オリジナルコーヒーの提供もおこなう。10月は「世界のカフェ文化」とし、カフェで有名なパリに焦点を当てた。カフェのガイドブックやコーヒー文化を紹介している本、コーヒーにちなんだ物語などを用意するとともに、猿田彦珈琲のオリジナルメニューとして「PARISクラシカル深煎りブレンド」を提供する。さらにHISでは、猿田彦珈琲代表取締役である大塚朝之氏がすすめるカフェが徒歩圏内にある、パリの「マリオット・オペラ・アンバサダー」に滞在する「パリ5日間」を特別商品として設定。先着70名限定で、旅行代金は12万9000円からとした。

▽「H.I.S.旅と本と珈琲と」
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-3-3 バルビゾン7番館
Tel:03-5775-2471
営業時間:11:00~19:00