アマゾナス航空、ウユニ線大幅増で日本市場に接近-副社長が来日

  • 2015年10月1日

Z8副社長のルイス・ベラ・アルバレス・プラタ氏  ボリビアのアマゾナス航空(Z8)から、このほど副社長のルイス・ベラ・アルバレス・プラタ氏が来日し、本誌の取材に応えた。同社は1998年に設立した民間航空会社で、首都のラパスに本社を置き、国内と近隣国の約10都市に路線を展開。日本人観光客の需要が大きく拡大しているラパス/ウユニ線を運航する唯一の航空会社でもあり、べラ氏は12月以降、同路線を1日7便にするなど大幅に増便して、日本人の需要に応えることを明らかにした。

雨季のウユニ塩湖。冠水すると湖全体が大きな鏡と化す  8Zは現在、全50席のボンバルディアCRJ-200型機を1日3便から4便運航中。しかし12月から3月までのハイシーズンについては、ウユニ塩湖が冠水して鏡状の「絶景」となり日本人旅行者が集中するため、今年は1日7便へと大きく増便。その後の4月から11月までのローシーズンについても、少なくとも1日4便を運航し、需要次第では1日7便に近づけるという。同路線は2012年の就航時には週2便のみ運航していたが、高速バスで10時間程度を要する距離を1時間で結ぶ利便性の高さにより、13年頃から日本人の利用者が急増。あわせて便数も増加している。

 ベラ氏によればボリビア政府は現在、ウユニ塩湖を同国を代表する観光資源の1つと見なしており、観光関連産業全体を挙げてウユニの振興に務めているところ。「ウユニを訪れる外国人旅行者の20%から30%ぐらいを占める」日本人については、最重要ターゲットとして位置づけている。ボリビアを訪問した日本人旅行者数は13年には1万5486人にまで増加し、その後も旅行会社の商品造成の活発化などにより増加。今年は既に2万5000人にまで拡大しているとのことで、政府は来年の目標を4万人に定めている。「ボリビアを訪れる日本人の約8割はウユニ塩湖を訪れる」ことから、Z8が日本人のボリビアおよびウユニへの訪問に関して果たす役割は大きい。

Z8のロゴ。社名の綴りはスペイン語の「a mas zonas(より多くの地域へ)」に由来しており、ネットワークをアマゾン川流域に特化しているわけではない  Z8はボリビア以外ではペルーやチリなどにネットワークを展開しており、ベラ氏はラパス/ウユニ線に加えてラパス/クスコ線なども訴求。マチュピチュ遺跡を訪れる際のゲートウェイとなるクスコとウユニの間を、ラパス経由で毎日5便運航していることをアピールし、「日本人の利用者も順調に伸びている」と伝えた。

 ウユニ以外の就航地としては、アマゾン川流域にあり近年は欧米からの旅行者が増加している北部のルレナバケもアピール。ラパスから最大で1日7便を運航していることを説明したほか、「高地のウユニからアマゾンの熱帯雨林まで、ラパスでの乗り換えを含めて2時間で移動できる」と強調し、多様性に富むボリビアの自然と同社のネットワークを強調した。

「ツーリズムEXPOジャパン2015」に出展したボリビアのブース  Z8は今年5月からアビアレップス・ジャパンに日本総代理店(GSA)業務を委託し、日本市場への積極的なアプローチを開始した。ベラ氏は今回の来日で、ボリビア行き商品を取り扱う主要な旅行会社を訪問。国を挙げてウユニ周辺のインフラ整備に注力していることを説明し、旅行会社からは「力強いリアクションを得られた」という。また、駐日ボリビア大使館も訪問して、今後のサポートの約束を取り付けた。なお、同国には国営航空会社で新興のボリビアーナ航空(OB)も存在するが、ボリビア第3の都市のコチャバンバに本社を置き、路線展開の方向性も異なることから、ベラ氏は「競合関係にはない」との見方を示し、日本市場での展開に自信を見せた。

▽訂正案内(編集部 2015年10月02日14時55分)
・訂正箇所:最終段落1行目および2段落目第2行
誤:アビアレップス・マーケティング・ガーデン

正:アビアレップス・ジャパン

誤:週7便

正:1日7便

お詫びするとともに訂正いたします。