ハーンエアー、日本での認知度向上めざす-新サービスなど訴求

  • 2015年8月18日

HRのラルフ・マセルマン氏(左)とキンバリー・ロング-ウルバネッツ氏 ハーンエアー(HR)は8月17日、セールス&エージェントディストリビューション担当副社長のキンバリー・ロング-ウルバネッツ氏らの来日にあわせて、都内で業界誌向けのセミナーを開催した。同社が日本のメディアを対象にセミナーを開いたのは今回が初めてとなる。主力事業であるBSPジャパン未加入会社の航空券のHR169プレートによる発券サービスについて説明した同氏は、具体的な数字は示さなかったものの、近年の業績については「グローバルと日本の両方で成長を続けている」と説明。今後についても「さらなる拡大をめざしたい」と述べ、ウェブサイトなどにおける日本語対応を拡充し、認知度の向上に努める考えを示した。

 HRは、ドイツのフランクフルト近郊に本社を置く航空会社として1994年に設立。定期便としてデュッセルドルフ/ルクセンブルク線を運航しているが、一方では300社以上の航空会社および鉄道会社と契約し、HR169プレートによる主要GDSを介した発券サービスを提供しており、世界の約190ヶ国の旅行会社約9万5000社を顧客としている。旅行会社に対しては、契約している航空会社が倒産した際などに、発券済航空券の払い戻しを保証する無料保険サービスを用意。その際に新たに購入した航空券との差額も合計125ユーロまで支払うほか、あわせて発生した宿泊料金などの諸経費についても一部を負担する。

 2001年にはBSPジャパンに加入し、現在は国内のIATA加盟旅行会社約860社に対して、航空会社280社と欧州の鉄道会社3社の発券サービスを提供可能。ハーンエアー・ジャパン取締役営業本部長の山室英雄氏によれば、近年の日本市場においてはスペインのLCCであるブエリング航空(VY)やアラスカ航空(AS)などの取り扱いが好調で、昨年はブラジルでのサッカーワールドカップ大会の開催により、ブラジルのゴル航空(G3)やアズールブラジル航空(AD)などの「特需」があったという。

 山室氏によれば、今年については昨年の実績を下回るものの、一昨年の実績は上回る見込み。グローバルアカウントマネージメントディレクターのラルフ・マセルマン氏は「日本市場での存在感をさらに示したい」と意欲を示した。

 セミナーではそのほか、3年前に開始した新たなGDS販売のアウトソーシングサービス「ハーンエアーシステムズ」についても紹介。同サービスは、いずれのGDSとも契約を持たない小規模な航空会社が、HRとのコードシェアにより2レターコード「H1」を便名に冠することで、GDSによる予約と発券を可能にするもの。スケジュールや運賃のファイリングなどもHRがおこなうという。そのほかには14年から鉄道予約サービス「スピードアライアンス」を開始したことも報告。パートナーであるヨーロッパ3ヶ国の鉄道会社についても、2レターコード「5W」ですべてのGDSに接続できる利便性をアピールした。