楽天トラベル、海外事業強化-「アジアNo.1」視野に

  • 2015年8月15日

楽天トラベル事業国際営業統括部部長の幅屋太氏  楽天トラベルはアジアを中心に、海外旅行への取り組みを強化する方針だ。楽天トラベル事業国際営業統括部部長の幅屋太氏は本誌の取材に応え、「楽天トラベルというブランドとして生き残り成長していくためには、日本の国内旅行だけではある程度のところで止まってしまう」と説明。海外事業の重要性を強調した。

 まずは日本人の海外旅行への取り組みをより一層強化していく。幅屋氏は海外のOTAとの競争が激化するなか「彼らと戦える地域は、商品を売る市場としても、旅行者の発地としても、アジア」であるとし、国内の老舗OTAとして「顧客の送客規模でアジアでのナンバーワンをめざしたい」と意欲を示した。

 海外の取扱宿泊施設については、コンサルティングをさらに強化していく考え。同氏は海外のOTAは「いかにたくさんのホテルを集めて、いかにたくさんのお客様を集めるか」に重きを置いていると説明。一方、楽天トラベルでは楽天会員をターゲットにしており、会員のニーズに合わせた宿泊プランを提供することで、会員と宿泊施設側のマッチングを重視していると語った。

 楽天トラベルでは国内と同様、海外でもITC(インターネット・トラベル・コンサルタント)が宿泊施設のコンサルティングを実施。ホテルに足繁く通い、関係強化をはかるとともに、「(宿泊)単価を高く、良いカテゴリを良いプランで売り切ってもらう」ために、宿泊プランにアーリーチェックインサービスを組み込むなどの提案をおこなっている。また、宿泊施設にとってパッケージツアーに組み込みにくい、角部屋や4ベッドの部屋などを積極的に仕入れ、販売しているという。

 幅屋氏は「我々のミッションはサプライヤーである宿泊施設に、良いインターネットのマーケットを提供して、売り上げを上げてもらうこと」と強調。宿泊施設に対し、カスタマイズできるウェブサイト上のページを提供し、販促ツールとして活用を促していると述べた。また、顧客からの評価が高く、顕著な実績を挙げた宿泊施設を表彰する「楽天トラベルアワード」を海外でも実施しているという。

 このほか、幅屋氏は海外発の海外旅行についても言及。サービスを休止しリニューアルしているところで、再開に向けて検討を進めているとした。

※インタビューの詳細は後日掲載予定