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スカイマーク再生、ANAHD支援案が可決-共同運航など開始へ

  • 2015年8月5日

債権者集会後の記者会見の様子。(左2人目から)BCの井手氏、インテグラルの佐山氏、ANAHDの長峯氏  民事再生手続中のスカイマーク(BC)の債権者集会が8月5日午前、東京地方裁判所で開かれ、同社が策定したANAホールディングス(ANAHD)や投資ファンドのインテグラルをスポンサーとする再生計画案が、債権者数の過半数と債権総額の半分以上の賛同を得て可決された。BCは今後、ANAHDやインテグラルなどから計180億円の出資を受けるとともに、全日空(NH)とのコードシェアなどを進めながら経営再建を本格化する。

 この日の集会では、最大の債権者である米国の航空リース会社イントレピッド・アビエーション社が策定した、デルタ航空(DL)をスポンサーとする再生計画案も諮られた。しかしBC案への賛成が債権者174人中135.5人、議決権総額の60.25%に上った一方、イントレピッド案への賛成は債権者37.5人、総額38.13%にとどまった。なお、集会の直前には複数の報道機関が、イントレピッド社に次ぐ大口債権者であるエアバス社が、BC案の支持に回った旨を伝えていた。

 債権者集会の終了後にスカイマーク側は、5日午後に国土交通省で記者会見を開催。BC代表取締役会長の井手隆司氏、インテグラル代表取締役の佐山展生氏、ANAHD上席執行役員の長峯豊之氏らが、BCによる再生案の可決を報告した。井出氏は改めて、運賃の決定や路線展開などについては今後、BC自身が決定していく方針を説明。「第3極」としての独立性の維持については「NHからも堅い約束をいただいており、これまでの道を歩かせてもらえる」と説明した。

 BCは今後、全日空(NH)とのコードシェアを開始するほか、NHから機材整備や資材調達、システム構築などに関して支援を受ける予定。コードシェアについては公正取引の観点から、既にNHが多くの便を運航している羽田/新千歳、福岡線などではおこなわないという。36の発着枠を保有している羽田を中心とした現在のネットワークについては、既に撤退を発表している仙台線や米子線など一部の路線を除き、当面は維持していく。

 長峯氏は「スカイマークは規制緩和におけるパイオニアとして、新たな需要を発掘してきた」と振り返り、今後もBCのカラーや企業風土を尊重する考えを表明。佐山氏は、安全性や定時運航率の向上に注力する考えを示すとともに「ほかにはないサービスを開発し、FSCもLCCも真似できない会社に再建したい」と意欲を見せた。

DLの森本氏  その後に同会場でおこなわれたDLによる記者会見では、日本支社長の森本大氏が「日本の航空会社との提携は悲願であり、しかもBCは素晴らしい路線網を持っているので、率直に言って残念」とコメント。「今後、BCの再建に直接かかわることはないが、日本の3大航空会社の1つとして再生されることを願う」とエールを送った。あわせて同社が米系航空会社のなかでは最多の日本発着便を運航していることを改めてアピールし「日本市場の重要性は変わらない。引き続きサービスの拡充と路線の拡大をはかる」と語った。

 イントレピッド社は5日午後にコメントを発表。社長兼CEOのフランクリン・プレイ氏が「今回の結果は我々が望んでいたものではないが、BCの従業員、ビジネスパートナー、およびその他の債権者にとって最善の結果が得られるよう、ステークホルダーとの建設的な協力体制を継続する」と述べている。