Booking.comが日本で本格展開、国内施設1万軒へ-利用促進でCMも

  • 2015年7月29日

Booking.com北アジア地区統括リージョナルディレクターのジェームス・ホワイトモア氏  Booking.comは2015年、日本市場での取り組みを強化する。7月28日の記者会見で、同社北アジア地区統括リージョナルディレクターのジェームス・ホワイトモア氏は「日本市場において、我々はさらにプレゼンスを拡大していく」と語り、訪日客の増加を踏まえた国内の利用可能施設の充実、日本人利用者の拡大、日本人向けサービスの強化に努めていく方針を示した。日本地区リージョナル・マネージャーの勝瀬博則氏も「(09年の日本オフィス設立以来)6年間かけて土台を作ってきた」と振り返り、今年を飛躍の年と位置づけた上で、国内外の施設やユーザーに対し「強く我々のメリットをアピールしていきたい」と話した。

 国内の利用可能施設数については、16年までに今年7月の約7000軒から、1.5倍にあたる約1万軒に拡大する計画を発表。地方の旅館などを中心に、訪日客の受け入れに積極的な施設にアプローチをしていく方針だ。勝瀬氏は「Booking.comとして、全力を上げて日本の観光立国推進の手伝いをしたい」と意気込みを示した。

 日本人利用者数の拡大に向けた施策としては、7月から日本国内で初の広告キャンペーンを開始。「HERE'S TO THE EXPLORERS/あなたは冒険者」をコンセプトに、Booking.comのブランドとサービスの認知度向上をはかり、テレビCMを中心に全国規模で展開していく。キャンペーンのターゲットは20代後半から30代のFIT層。海外旅行でのBooking.comを活用した宿泊予約の促進とともに、国内旅行での利用者数増加もめざしたい考えだ。すでに7月27日からテレビCMの放映を開始。さらに、デジタルチャネルの活用や屋外広告、ソーシャルメディアを利用したキャンペーンも順次展開していく。

 また、日本人向けサービスについては、ホワイトモア氏が218ヶ国・地域で70万軒以上の宿泊施設を提供している点をアピール。その上で「利用施設の充実に加え、サポートの提供が重要」と語り、日本オフィスの拡大とスタッフの増加により、サポート体制を強化する方針を示した。

 日本では現在、表参道、渋谷、大阪、福岡、札幌の事務所で計200人のスタッフを雇用。今年11月には沖縄にも事務所を設置するほか、順次増員もおこなっていく。特に、日本語対応コールセンターの担当者を増やす考えで、現在の約100名体制から、16年までに「最大でも約200名体制」(勝瀬氏)に増強したいとした。このほか、今までiOS版のみで提供していた直前予約特化型のアプリ「Booking Now」について、Android版の提供も開始。日本市場で直前予約に特化したアプリの提供を開始するなど、利便性の向上もはかっていく。