ジャルパック、下期海外は3%増目標に、上期のリカバリーめざす

  • 2015年7月28日

ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏 ジャルパックは7月28日、2015年度下期商品を発表した。海外については上期から取り組んだ添乗員付きコースや、1人参加可能商品、女性限定出発日の設定などのサービスを拡充し、前年割れとなった上期のリカバリーをめざす。国内については沖縄での「JALうたばす」のサービス拡充など、新たな企画を展開する。同日に開催した会見で代表取締役社長の藤田克己氏は、下期について円安や政情不安、仕入環境の厳しさなど、海外国内ともに「概ね上期の傾向が続く」と見通しを語った上で、「希少性と独創性のある高付加価値商品」で勝負する考えを示した。

 同社によれば、15年度上期の海外は前年比11%減の10万6000人となる見込み。下期の計画は3%増の11万4000人だが、中東呼吸器症候群(MERS)の発生による韓国の低迷など不安材料も多く、藤田氏によれば「上期の前年割れの幅が大きいため、年間では1%から2%減になる」という。なお、仕入環境の激化などによる各国での地上費の上昇などにより、期首商品の販売価格は2%程度上昇する見通し。訪日外国人旅行者の増加で厳しさを増す航空座席などの確保に向けては、パンフレットなどで早期割引を強くアピールする。

 取扱数が最も多いハワイについては消費者のニーズの多様化に対応し、ホノルルで15軒のホテルの106の部屋タイプを選択可能にした。加えて、専用車による空港からの送迎と、到着直後に部屋を利用できる「ダイレクトチェックイン」をあわせた「プレミアムコース」も提供。「レインボートロリー」や観光バスの「ホクレア」には新ルートを設定した。

 南米アメリカについては、絶景を軸に自然を楽しむコースを拡充。人気の添乗員同行コース「一度は行きたいグランドサークルの絶景」を引き続き販売するとともに、「絶景の大地を訪ねて アリゾナ・ウェスタン紀行」などを新設。「奇跡の天空鏡ウユニ塩湖と神秘の空中都市マチュピチュ遺跡」コースでは、ヨーロッパのコースで設けている「おひとり様参加日」を2月18日限定で設定した。

 ヨーロッパは新設コースの「フィンランドオーロラ紀行」から定番周遊コースまで、全出発日で2名催行のコースを10コース用意。添乗員同行コースについても、全出発日の約7割を2名催行とし出発を確約する。また、モンテカルロに4連泊する「モナコとマルセイユ滞在南仏珠玉の村めぐり」などの連泊商品も拡充。下期は多くのエリアで販売価格の上昇が予定されるが、ヨーロッパについてはユーロ安傾向が見られることから「下期の1番のポイント」として注力する構え。

 オセアニア・南太平洋については日本航空(JL)のプレミアムエコノミークラスとビジネスクラスの利用商品を強化。アジア方面については添乗員同行コースを拡充し、タイとインドでも展開を開始。また、ヨーロッパやカンボジア、ベトナム、台湾に続き、女性限定の1人旅参加限定日も新たに設定した。そのほか韓国では、すべての食事を現地到着後に選べるコースを新たに設定した。

 エリア別の計画では、復調が見込まれる中国で9%増をめざすほか、ハワイとヨーロッパとオセアニアで8%増、南北アメリカで4%増を見込む。ミクロネシアは前年並み。訪日旅行者増の影響が大きい台湾は3%減、香港を含むアジアは5%減とした。

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※訂正案内(編集部 2015年7月29日 10時30分)
表中の上期の見込み人数について、各エリアの数値が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。