トップインタビュー:H.I.S.ANAナビゲーションジャパン代表取締役社長の深木重和氏

HISとANAセールスのリソース活用で訪日誘致
地域連携を強化、地方都市への需要拡大に向けた取り組みも

 エイチ・アイ・エス(HIS)とANAセールスは2014年11月、合弁会社「H.I.S.ANAナビゲーションジャパン(略称HAnavi)」を立ち上げた。訪日旅行需要の創出と日本各地の活性化を目的としたもので、訪日客向けに日本国内旅行商品を企画、造成。HISの海外店舗やウェブサイトで、4月1日から訪日客専用の国内線ダイナミックパッケージを販売している。今後ますますの訪日客の増加が見込まれるなか、同社ではどのような戦略を展開していくのか。代表取締役社長の深木重和氏に聞いた。


-2社の合弁会社として訪日旅行に取り組む意気込みを改めて教えて下さい

深木重和氏(以下、敬称略) アジアを中心に訪日旅行の需要が伸びるなかで、我々も需要獲得のために、両社の強みをしっかり活かして集客していきたい。HISは6月末日現在、海外61ヶ国129都市に192拠点を有しており、出店国数は世界一の旅行会社だ。一方、ANAセールスは全日空(NH)の51 都市 115 路線の国内線ネットワークを活用できる。

 また、HISとNHは2012年から海外、国内旅行、訪日旅行の掘り起こしに向けた提携をおこなっており、HISの国内販売が急激に伸び出したのも、NHと国内旅行商品の提携を開始してから。そうした下地もあり、今回2社で訪日に取り組むこととなった。

 我々はFITのお客様に特化した形で展開する。訪日ビザの緩和などで、FITの需要が増加している東南アジアを中心に、利用者の取り込みはかる。また、もともと欧米のお客様はFIT傾向が非常に強いため、商品の認知度を高めることにより、さらに取り込めると考えている。

 また、今までの訪日客の訪問先は国際線の就航都市と、そこから新幹線で移動するエリアが多かった。今回会社を作った一番のポイントは、当社商品で国内の空路を活用することで新しい旅行手段を広め、訪日旅行のお客様に今まで以上に日本のいろいろな都市に行っていただくこと。なお、当社の商品は日本までの国際線航空券は含んでいないが、LCCの航空券との組み合わせなどにより、海外市場の多様な購買形態やニーズとのマッチングをはかり、訪日旅行の利便性を高めていきたい。