カナダ、17年に日本人40万人めざす-若者の取り込み強化

  • 2015年4月20日

カナダ観光局社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏、日本代表のモリーン・ライリー氏  このほど来日したカナダ観光局社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏は業界誌の取材に応え、カナダ建国150周年の2017年までに、日本人訪問者数40万人をめざす考えを示した。航空座席数の増加や今年から開始する消費者向けの大型プロモーション「カナダシアター」で誘客を強化していく方針だ。

 2014年の日本人訪問者数は前年比15%増の約26万人。2年間で14万人増やす目標だが、ゴールドスティーン氏は「1995年には(日本から)60万人が来ており、それほどすごい数字とは感じていない」と語った。カナダへの国別訪問者数を見ると、1位は米国で、2位以下は日本、英国、ドイツ、フランス市場が同規模の「キーマーケット」と位置づけられている。同氏は日本はカナダにとって「観光戦略において再優先の市場」と重要性を強調。2015年は前年比10%増をめざすと語った。

カナダ観光局社長兼最高経営責任者のデービッド・ゴールドスティーン氏  また、ゴールドスティーン氏は昨年について、戦略的なマーケティング、日本とカナダとの旅行会社の協力による新しい旅程の提案、エア・カナダ(AC)の羽田/トロント線、全日空(NH)の羽田/バンクーバー線就航による航空座席数の増加などが奏功したと振り返った。その上で、今年は5月2日のACの関空/バンクーバー線開設で更に座席数が増えるとし「日本市場は路線が増えたので、展望が開けている。メディアとも協力し、旅行に関する取引を促進していきたい」と話した。ターゲットはアクセスの良い関東近郊だが、大阪についても「今後可能性がある市場」との考え。関空線は最大週5便の運航だが、同氏は通年でのデイリー運航を働きかけていきたいとした。このほか、他の既存路線についても増便を訴えていく考えだ。

 15年のプロモーションとしては、消費者向けのデジタルマーケティングに注力していく。5月1日から、総合ポータルサイト「カナダシアター」を立ち上げてコンテンツを動画や特集記事、ブログなどでカナダを紹介。また、ソーシャルメディアを活用し、18歳から34歳までの若者層の取り組みもおこなっていく考えだ。ゴールドスティーン氏によると、若者層は冒険や探検への興味が高く好奇心旺盛であることから、カナダで体験できる多様なアクティビティや大自然などをアピールしていきたい考え。また、教育市場に対しても、カナダの安全性やホスピタリティなどを訴え、修学旅行や留学などでカナダを訪れた後、友達や家族とカナダへ再び訪問するリピーターの醸成をはかる。

 さらにゴールドスティーン氏は旅行会社との関係についても触れた。旅行会社とは長年パートナーシップを築いてきたとし、更なる連携強化をおこなっていく方針だ。旅行商品の多様化をはかっているところとし、アルゴンキン州立公園でのハイキングツアーやナイアガラとアイスワインを組み合わせたツアー、ニューファンドランドのツアーを「目新しい物をやっている」と紹介。今までのカナダとは違った視点での商品造成の協力を求めていくとした。