JATA、渡航ガイドラインを4月に改定、チュニジア襲撃事件受け

  • 2015年3月30日

 日本旅行業協会(JATA)は、このほどチュニジアの首都チュニスで起きた日本人を含む観光客襲撃事件を受け、ガイドライン「企画旅行における外務省渡航情報への対応についての考え方」の改定をおこなう考えを明らかにした。外務省からスポット情報を含む渡航情報が発出されている地域に関して、旅行会社がツアー参加者に対しておこなうべき説明や対策などについて、より具体的な文言を盛り込む。JATAでは3月24日に緊急で安心安全部会を開催したところで、検討を続けて4月中には改訂案を取りまとめる予定。

 現行のガイドラインでは、注意喚起と「渡航の是非を検討」が発出されている地域への企画旅行については、旅行業者は安全確保について適切な対応が講じられるか否かを検討した上で、適切な対応を講じられる場合のみツアーを催行。参加者に対しては、渡航情報が発出されている旨を記載した書面を交付し、渡航情報の趣旨や内容を十分に説明した上で旅行を実施すべきとしている。

 先ごろ開催された定例記者会見でJATA事務局長の越智良典氏は、現行の対応について「スポット情報などを記したプリントを渡すだけではわかりにくい」と指摘。今後は外務省と協議して、注意勧告や「渡航の是非を検討」が発出された場合、「旅行会社が何をしたらいいのか、ツアーの催行会社は何に注意したらいいのか」をガイドラインでより具体化したいとした。

 越智氏は今回の事件を振り返り、クルーズ旅行における安否確認や催行チェックなどについても、改善に向けた検討をおこなう考えを示した。クルーズ旅行における安否確認については、現時点では、ツアーの催行会社が行程の詳細をシステム上でチェックすることが難しいため、チェック体制について研究を進める。また、報告システムについても「ここ10年から20年変わっていない」ことから、見直しをおこなうべきとした。