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日本旅行、14年営利は12%減-赤い風船は販売高過去最高、15年は減益予想

  • 2015年3月1日

 日本旅行の2014年12月期(2014年1月1日~12月31日)の連結業績で、営業収益(※純額)は前年比2.5%増の542億7200万円だった。営業利益は12.0%減の16億100万円、経常利益は18.9%増の25億円、当期純利益は11.7%増の14億5100万円だった。

 同社広報室によると、営業利益は企画商品の販売拡大などに伴う販売費の増加や、中期経営計画「ACTIVE 2016」達成に向けた要員確保、人材育成のための投資などで営業費用が増加したため減少。一方、経常利益は為替差損の解消や、子会社からの配当金増加などによる営業外損益の改善で増加した。

 また、14年度については通期業績予想を上回っており、中期経営計画の実現に向けて着実に進むことができたとの考え。中期経営計画の5つの中核分野についても全分野において、販売高は前年を上回った。特にインバウンドは37.9%増、インターネット販売は16.3%増と2桁増。インターネット販売率も拡大し、赤い風船で全体の20.8%、マッハ・ベストツアーで8.7%まで伸びたという。このほか、BTMの販売高は7.2%増、教育旅行は4.1%増、MICEは3.3%増だった。

 日本旅行単体では、販売高(※総額)が5.3%増の4168億6800万円、営業収益が2.4%増の462億2600万円、営業利益が26.0%減の6億3400万円、経常利益が74.3%増の17億1400万円、当期純利益は100.2%増とほぼ倍増の10億8100万円だった。

 海外旅行の販売高は1.9%増の1435億6300万円、営業収益は1.6%減の145億4400万円。企画商品の販売高は2.2%減の617億7000万円だった。重点顧客層と捉える熟年・シニア層と女性層の取扱拡大に向け、内容充実型の商品を増強したほか、インターネット販売でもWeb専用商品の拡充や販売部門との連携強化に取り組んだが、続く円安基調や、東アジアなどの国際情勢の影響などで減少した。

 団体旅行では、アメリカ本土キャンペーンや、台湾の「日本の観光・物産博2014」、スイスの「ベルン・ジャパンウィーク」開催に合わせた送客拡大を徹底。教育旅行やMICEなども強化した結果、販売高は5.5%増の248億5800万円と前年を上回った。国際航空券などの単品販売では海外出張需要の増加などで5.1%増の469億3300万円となった。

 国内旅行の販売高は4.8%増の2521億1000万円、営業収益は2.1%増の279億3900万円。企画商品は5.1%増の976億5800万円と増加。JRと連携しJRセットプランの販売強化をはかるとともに、中核分野と位置づけるインターネット専用商品を拡充。また、赤い風船が年間を通じて好調で、販売高は過去最高を記録した。特に北海道、東北、北陸、京阪神、沖縄が2桁増に伸びたという。

 団体旅行は中核分野へのビジネスモデルの転換や、各エリア・支店ごとのマーケティングによるターゲットの拡大をはかり、6.5%増の633億700万円と増加。JR券や国内航空券などの単品販売は3.4%増の911億4400万円だった。

 国際旅行は販売高が45.1%増の211億400万円、営業収益は43.3%増の28億4900万円。訪日ビザの緩和や円安の追い風の中、中央省庁や地方自治体などのビジット・ジャパン(VJ)事業への取り組みを強めるとともに、OTAを含む海外の旅行会社との連携や東南アジアなどでの訪日営業の強化に努めた。

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