KNT、15年団体は粗利率引き上げ、個人は引き続き専門性追う

  • 2015年2月24日
KNT代表取締役社長の小川亘氏

 KNT-CTホールディングスは2月24日、「第13回大海外旅行交流コンベンション」を開催し、冒頭に近畿日本ツーリスト(KNT)と近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)の2015年度の販売戦略を説明した。同イベントはKNTグループの各地の支店担当者が集まり、主に在京のサプライヤーと商談をおこなうもの。

 KNT代表取締役社長の小川亘氏によると、2015年は売上総利益率を1ポイント引き上げる目標を設定。2014年が増収減益となったことを受けたもので、売上の増加よりも利益の確保をめざすという。

 目標達成に向けては、支店ごとに顧客ターゲットを明確化するとともに、営業活動を早期化。また、現在はリピーター化する企業が約70%に留まることから、これを10ポイント高める「KC(Keep Client)80」活動にも取り組む。

 売上を大きく増加することなく利益を伸長させるためには受注1件あたりの利益を向上する必要があるが、そのための施策として儲けにつながらない案件の取り扱いを見直すことに言及。

 また、仕入れ費用の圧縮が策の一つとなるが、小川氏は集まったサプライヤーに対して「値切られると思われる方もいらっしゃるかもしれないが、その懸念はない」と断言。原価の上昇分を顧客に負担してもらった上で利益を残していく方針を示した。

 現在の市況としては、ISILの影響が修学旅行市場で出ていたが「少し落ち着いてきた」ところ。修学旅行は2、3年前の受注から現在までに為替が大きく動いたため、売上総利益を引き下げる要因ともなっているが、こちらも「徐々に解決していく」との見通しだ。

 このほか、2015年は大きなスポーツイベントがないことは「逆風」であるものの、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて積極的に展開。2016年のリオデジャネイロ大会も、従来はあまり需要が見込めない閉会式で東京への引き継ぎセレモニーが開催されることから、すでにホテルの仕入れなどを進めているという。

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