観光立国実現に資する「おもてなし」とは-京都市主催シンポから
改めて考える「おもてなし」の国際競争力
他国が真似できない次元に到達するには
京都市は1月31日、このほど米国の旅行雑誌「Travel + Leisure」の「ワールドベストアワード2014」において、観光都市ランキングの世界一に選ばれたことを記念し、シンポジウム「訪日外国人旅行者2000万人時代の日本のおもてなし」を開催した。この日は京都市長の門川大作氏などがパネルディスカッション「訪日外国人旅行者2000万人時代の日本のおもてなし」を実施。2020年の東京オリンピック開催が決定して以来、観光立国推進のキーワードとなっている「おもてなし」の意味や今後の方向性について意見交換した。
・パネリスト
京都市長 門川大作氏
星野リゾート代表取締役社長 星野佳路氏
ハースト婦人画報社「婦人画報」編集長 出口由美氏
・コーディネーター
観光庁参与(初代観光庁長官)、首都大学東京教授 本保芳明氏
京都市長 門川大作氏
星野リゾート代表取締役社長 星野佳路氏
ハースト婦人画報社「婦人画報」編集長 出口由美氏
・コーディネーター
観光庁参与(初代観光庁長官)、首都大学東京教授 本保芳明氏
「おもてなし」は過信されていないか
コーディネーターを務めた、初代観光庁長官で現在は首都大学東京教授を務める本保芳明氏は冒頭で、2013年に2020年の東京オリンピック開催が決定し、加えて昨年には訪日外国人旅行者数が1341万人にまで急増したことについて言及。訪日旅行が活況を呈していることを歓迎する一方で、オリンピック招致のプレゼンテーションを機に流行語となった「おもてなし」については、「その他の国における『サービス』と一体どこが違うのか。その違いを本当に理解した上で使っているのか」と疑問視した。
また、「本当に日本のサービスやおもてなしのレベルは高いのか。自惚れているだけで自己満足に陥っていないか」「おもてなしは日本観光の競争力につながっているのか。果たして、おもてなしだけで本当に旅行者が来てくれるのか」と問題提起。オリンピック開催を見据えた観光振興についても、「安心して2020年を迎えられるのか危惧している」と述べ、各パネリストに意見を求めた。