デルタ航空、AA・HAに反論、羽田枠維持へ再配分は「違法」
デルタ航空(DL)は10月17日付けで、アメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)が求めるDLの羽田発着枠1便分の没収と再配分について、反論する文書を米国運輸省(DOT)に提出した。AAとHAは先ごろ、DLが羽田/シアトル線を冬ダイヤ期間にほぼ運休することを指摘し、貴重な枠を退蔵するのであれば有効に活用する自社に配分するよう主張していた。
DLは、DLのシアトル線運航計画がDOTの課す条件を完全に満たすものであり、2015年夏ダイヤからはデイリー運航を再開すること、そして仮に召し上げと再配分がおこなわれれば、従来のDOTのルールに反するばかりでなく、根本的な公平性と行政手続法によって求められる適正な手続きを脅かすものであると強調。
また、AAとHAからの「無駄遣い」との批判に対しては、AAが同じく貴重なブラジル路線で季節減便を長年続けていることに触れ、再配分は「不公正で前代未聞の、違法で悪質な方策」であると明記した。
加えて、再配分が実行されDLの発着枠が1枠のみになった場合、アライアンス間の競争が緩和され寡占状態が悪化すると主張した。同時に、AAが再配分後の就航計画として提示した羽田/ロサンゼルス線の運航スケジュールで、便名が現行の成田/ロサンゼルス線と同一であることも指摘。ニューヨーク線でそうしたようにAAが成田路線から手を引く可能性があり、そうなれば再配分に公益性は皆無であるとした。
このほか、AAが日米航空交渉の遅れの原因をDLとしたことに対しても反論。DLによると、9月に政府間で話し合いの場が持たれ、運用上は全ての米系航空会社が成田から路線を移行可能なキャパシティが羽田にあると確認されているところ。
日本との取引をまとめ、羽田にもオープンスカイを適用するためには、米国政府が米系航空会社の必要とするだけの発着枠を確保することが重要であり、その意味でDLが現在2便分を保持していることは羽田の開放に向けて「小さいが重要な1歩」であると強調した。