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アクセスランキング、1位はビッグデータ、2位はHAの羽田意欲

[総評] 今週の1位には、ツーリズムEXPOジャパンで実施された「ビッグデータ時代のツーリズムマーケティング」セミナーの内容をお伝えした記事が入りました。スマートフォンやソーシャルメディアを含めて激変する環境の中で旅行会社がどのように立ち振る舞うかをテーマとしたもので、「旅情代理店」といったアイディアも披露されており興味深い内容です。

 個人的には、世間がAといえばBを探したくなる天邪鬼な性分ですので、猫も杓子もビッグデータと言っている(ような気がする)とそれ以外の道にばかり目が行ってしまうのですが、当然ながら主流あっての傍流です。旅行会社の事業展開においても、オンラインの世界には活路を見出さないとしてもそれについて学んでおいて損はないでしょう。

 次に、2位はハワイアン航空(HA)による羽田路線の増便意欲の表明です。先週のランキングで、アメリカン航空(AA)が米国運輸省(DOT)に対してデルタ航空(DL)の発着枠を1便分没収し、AAのロサンゼルス線に振り替えるよう求めた記事が1位になりましたが、今回はそれに続く話題です。

 HAは、DLからの枠の回収には賛成しつつAAのロサンゼルス線には反対しており、HAとして最もふさわしい就航計画を提出する意向を示しています。先週も触れた通り、「羽田の発着枠は貴重な権利」であり「運休するなら使うから寄越せ」という主張は明快で、DOTからの反応は日本時間10月17日17時の時点で確認できませんが、判断に注目が集まります。

 また、羽田/米国線の発着枠を巡っては最初の配分からこれまでに、DLによるデトロイト線のシアトル線への変更とAAによるニューヨーク線撤退の2回、争奪戦が繰り広げられてきました。今回は今のところユナイテッド航空(UA)が手を挙げていませんが、仮にAAとHAの2社であったとしてもどちらの主張が認められるか、またそのために両社がどのような主張をしていくかも注目です。

 このほか、3位には日本航空(JL)が大日本印刷とiPhoneなど向けに情報提供サービスの実証実験を開始した記事が入りました。1位についての続きになりますが、スマートフォンやタブレット、あるいはApple Watchなどハードウェアの進化は非常な速度で進んでいます。

 一方で体感として、旅行については流通よりも、旅行中の体験自体や体験の共有の側面からそうした進化の影響を受け始めているように思います。スマートフォンなどによる旅行予約も浸透してきているとはいえ、特に海外旅行関連では業界内に切迫感が明確に感じられるというほどではありません。

 しかし、状況は着実に変わっていっており、「スマート」なデバイスによる生活の変革が間違いなく進んでいることも皆様の同意を得られるでしょう。こうした新技術の話題に接するにつけ、もしかすると、風船が膨らむように静かに少しずつ新しい旅行流通に対する欲求が鬱積し、いつか突然圧倒的な勢いで既存の常識を吹き飛ばしてしまうこともあるのではないか、そんなことを考えてしまいます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年10月第3週:10月12日0時~10月17日18時)
第1位
なぜ今、旅行にビッグデータが必要か、新時代のマーケティングとは(14/10/14)

第2位
ハワイアン航空、羽田の増便めざす、AAの要望支持(14/10/15)

第3位
日本航空、搭乗便情報をiBeaconでプッシュ通知、国内13空港で実験(14/10/14)

第4位
アエロメヒコ、ビジネス需要好調、モンテレイ経由で利便性向上(14/10/14)
アエロメヒコ、16年にアジア新路線、中部や関空など視野に(14/10/15)

第5位
日系2社、8月国際線旅客は3.6%増-ANAが牽引、JALはグアムなど好調(14/10/12)

第6位
楽天、旅行中に女性が許せない男性の行動1位は「ずっとスマホをいじる」(14/10/14)

第7位
スイス・インター、15年夏ダイヤで22路線就航、A320、A321に新座席も(14/10/12)

第8位
チャイナエアライン、初のB773ER受領、16年までに10機(14/10/12)

第9位
エチオピア航空、全日空とコードシェア、ETの成田/アディスアベバ線は延期(14/10/16)

第10位
てるみくらぶ、BtoB本格展開、全商品を代売可能に-専用PKGも(14/10/16)