JATA、1000人規模の韓国メガファム、8コース設定-11空港発着
日本旅行業協会(JATA)は韓国観光公社(KTO)と協力し、12月8日から12日にかけて、韓国への1000名規模のメガファムツアーを実施する。8月29日にソウル市で開催されたKTO主催の韓日観光交流シンポジウムでJATA会長の田川博己氏が提言したもの。全国11空港発着で、2班に別れて2泊3日で実施する。
2015年は日韓国交正常化50周年。JATA事務局長の越智良典氏によると、両国間で記念行事やイベントを準備しており、今年12月3日には観光庁と日本政府観光局(JNTO)が「双方向700万人のムード醸成」を目的に「日韓観光交流拡大シンポジウム」を東京で開催する予定だ。メガファムツアーはシンポジウムの翌週に続けて実施し、韓国販売の機運を高めたい考え。
参加者のターゲットは旅行会社のカウンターセールスや団体営業などの販売担当者。越智氏は、日韓関係の影響でパンフレットを作っても積極的に販売しない、団体への提案でも韓国以外の場所を勧めるなど「(旅行会社の販売担当者が)韓国を積極的に売り込もうという雰囲気にない」と課題を指摘。「来年イベントをやっても、気持ちの入れ替えをしないと」意味がないとし、販売担当者に参加してもらうことで「現実の韓国を見て、韓国は安心、安全、楽しめるということを体験してもらいたい」と語った。
ファムツアーは2班に別れており、第1班は12月8日から10日、第2班は12月10日から12日に韓国を訪問する。出発空港は新千歳、仙台、新潟、成田、羽田、中部、関空、岡山、広島、福岡、那覇。越智氏は「(両国間の)地方間の路線が大きなウエイトを占めている」と話し、全国規模で実施することで日本全体で販売機運を高めていきたいとした。
観光コースはKTOが設定しており、ソウル発の6コース、釜山発の3コース、済州島の1コースを用意。ソウルは700名、釜山は200名、済州島は100名の参加を見込む。コースでは文化や歴史、世界遺産をテーマにしたほか、ソウル発では平昌・江陵中心の江原地域の冬季オリンピック連携観光コースも用意した。
参加費用は燃油サーチャージ込みで1万円で、一人部屋追加料金は1万円。空港使用料や諸税などは別途必要とした。申し込みなどについてはJATA海外旅行推進部で受け付けており、締切は11月7日とした。
▽50周年でプロジェクトチーム設置も
また、JATAでは日韓国交正常化50周年に向け、11月中には海外旅行委員会内に専門のプロジェクトチームを設置し活動を開始する予定だ。チームには主要旅行会社などのメンバーが入る。越智氏によると、チームでは来年実施する50周年記念イベントなどから「売れるものをピックアップし、どう販売するか検討していく」方針だという。
海外旅行委員会では海外旅行の需要喚起、政策提言、新デスティネーションの開発を3つの柱としている。越智氏はこのうちの需要喚起のなかで中国と韓国は大きなテーマであるとし、「1つの柱として韓国を取り上げていきたい」と話した。