ツアーグランプリ、国交相賞はグローバルユースビューロー

  • 2014年9月30日

 日本旅行業協会(JATA)は9月27日、ツーリズムEXPOジャパン2014会場内で、ツアーグランプリ2014の表彰式を開催した。これは、旅行業における企画力とマーケティング力の向上、「観光立国」の施策に寄与することを目的に、海外旅行・国内旅行で最も優れた募集型・受注型企画旅行を表彰するもの。今年は海外旅行86件、国内・訪日旅行19件の計105件の応募があった。

 国土交通大臣賞はグローバルユースビューローの「神秘の北極圏へ グリーンランド、バフィン島クルーズ 15~16日間」が受賞。同ツアーは、冒険家の三浦雄一郎氏を隊長にしたチャータークルーズ。2011年は南極、2013年は北極を訪問しており、今回は砕氷船「シー・アドベンチャラー号」をチャーターし、バフィン島やグリーンランドなどを訪れた。

 式に出席したグローバルユースビューロー営業部(クルーズ・北米・イタリア担当)部長の古木俊二郎氏は「元気なシニア層が求めているものは、冒険や探検の旅」と説明。チャータークルーズについては支払い条件が厳しいなど課題はあるが「リスクを承知の上で進んでビジネスをやる」必要があるとし、今後も引き続き同様のツアーを実施していく考えを示した。

 授賞式では松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科学科長・教授の佐藤博康氏が登壇し、今年の講評を実施。今回の応募では「旅行会社でないとアイディアが出ない、日頃の経験を積み上げないと造成できない」作品が多かったと振り返った。

 一例として、観光庁長官賞のワールド航空サービス「熱烈歓迎 ほのぼの中国紀行」をあげ、日中関係の影響で旅行需要が減退する中、中国のツアー商品を造成し、送客に取り組んだことを評価。さらに、海外旅行自由化50周年についても触れ、「こうした観光の50年を作り上げてきた人々の努力を高く評価していいのでは」と語った。

 このほか、表彰式には観光庁長官の久保成人氏が登壇。旅行のインターネット販売が拡大し、個人旅行化が進むなど「旅行会社がツアーを造成する環境は激変している」状況のなかでも、旅行会社が知識や経験を活用して造成した商品で多くの消費者が旅行を楽しんでいるとし、「ツアー商品の造成は観光立国に大変な貢献をしている」と語った。

 

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