ヴァージン、日本から撤退へ、路線網再編で
ヴァージン・アトランティック航空(VS)は、2015年2月1日の成田発便を最後に、日本路線から撤退することを決定した。VSは現在、2年間の経営改善計画を進めており年内に黒字化を達成する見込みだが、このほど2018年までに過去最高水準の利益を持続的に達成するための計画を策定。この中で、デルタ航空(DL)との共同事業による利益を最大化するため、大西洋路線における座席供給量を大幅に拡大することを決めた。
日本路線はロンドン発が1月31日、日本発が2月1日を最終便として撤退する予定で、VSマーケティング担当では「今年は創立25周年の記念の年であるのに、本当に残念としか言いようがない」とコメント。予約済みの顧客に対しては、「できるかぎりご不便、ご迷惑をおかけしないようにご対応させていただく」方針だ。
VSの成田/ロンドン線は、全日空(NH)とのコードシェア便でNH便名も付与されているところ。NH広報室によると、VS運航便を予約している顧客は羽田線への振替を検討中だ。
また、NHは今春の羽田/ロンドン線の運航開始に合わせて成田線の自社運航を終了しており、現在はVS便のコードシェアによって成田路線を維持している状態。自社運航による成田線の復活については、需要環境などを考慮しながら可能性を検証していくという。
ただし、もともとVSは成田線を運休して羽田に切り替えることを望んでいたが、日英間の航空当局間協議で羽田線を開設する場合には成田線を維持することを求められ、結果として成田に留まった経緯がある。
このため、仮にこのような規制が維持されている場合、理屈としてはNHが成田線を復活しなければならないか、もしくは規制が見直されることになる。なお、国土交通省航空局航空交渉室では、英国との合意事項について概要以外は非公表とすることが双方で決まっており「詳細については説明できない」とコメントした。
▽英米線は1日5便増、DLの増便も
注力する大西洋路線では、英国/米国間で1日5便を増便。すべてロンドン・ヒースロー空港発着で、デトロイト線の新規開設に加え、ニューヨークJFK線、ロサンゼルス線を1日1便追加。また、アトランタは夏期限定で1日1便増、サンフランシスコも夏期限定で週1便増、マイアミは冬期限定で1日1便増とする。
また、DLとの路線調整もおこなう。VSがマンチェスター/アトランタ線をデイリーで開設する一方、DLがVSのロンドン/ニューアーク線のうち1日1便を引き継ぐ。加えて、DLは2015年夏にはマンチェスター/ニューヨークJFK線で1日1便の増便も計画している。
一方、日本以外でも、ロンドン/ムンバイ線の撤退やロンドン/ケープタウン線の冬期季節運航の終了が決定している。