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現地レポート:南アフリカ、港町ダーバンとマンデラ遺産でツアーの多様化を

  • 2014年7月15日

ここにしかない自然と動物に出会う、南アフリカ
港町ダーバンからの観光とマンデラ遺産にも注目

ドラケンスバーグ。開けた景色の中を進んで行く  南アフリカのツアーはサファリとケープタウンの組み合わせが定番だが、商品の幅を広げるため、ダーバン近郊での観光を加えてみてはどうだろうか。コンベンション開催地として知られるダーバンは、郊外にガンディーが住んだ家やマンデラゆかりの地などの見どころがあり、ハイキングが楽しめる世界複合遺産のドラケンスバーグへの拠点にもなる。今回は南アフリカで開催された「INDABA2014」で訪れたダーバン周辺、ポストツアーで訪問したケープタウンとクルーガー国立公園近くの私営保護区のサファリなどを紹介する。


ダーバン市内観光の魅力
周辺にマンデラ関連遺産も

1年中泳げる白砂のビーチが続く(マハラニホテルより)  南アフリカ第3の都市、港町のダーバンはリゾート地でもある。「温暖で1年中泳げるビーチ、カジノやテーマパークもあって、特に内陸から家族でホリデーに来る」と現地ガイドのデイビッド・デラクェラ氏は話す。インド人も多く、かつてマハトマ・ガンディーが20年以上も住んでいた。19世紀には、空港の名前にもなっているキングシャカ率いるズールー王国があった場所でもある。

1910年から営業しているビクトリアストリートマーケットフェニックス農場で自給生活を送っていたガンディーの家  これらの歴史と現在の街を知るためにも、会議や展示会で訪れる人にダーバンの市内観光をおすすめしたい。庶民の生活を垣間見られるビクトリアストリートマーケット周辺や、2010年のFIFAワールドカップで日本がオランダと戦ったモーゼス・マヒダ・スタジアムには街を一望できるゴンドラもある。ほかにもアパルトヘイト時代のダーバンの歴史が展示されているクワムールミュージアム、ガンディーがインド系移民の権利回復活動の拠点とした郊外のフェニックス農場では南アフリカが辿ってきた歴史に触れられる。

ネルソン・マンデラ キャプチャーサイトに立つ彫刻。自由への長い道のりは1962年の逮捕から始まった  南アフリカ観光局(SAT)は故ネルソン・マンデラ元大統領ゆかりの地を集めた「Madiba Inspired Tourist Attractions」(マディバマップ)を作成しているが、そのうちダーバンから行くことができるのが「オーランジインスティチュート」。民主化後初の総選挙でマンデラが一票を投じた学校で、マンデラがここで投票したのは、アフリカ民族会議(ANC)の初代議長ジョン・デューベが黒人として初めて設立した学校だったことと、投票に行っても危険がないことを地域の人に示すためだった。現在も学校内にデューベに関する展示や墓がある。

 さらに、ダーバンの北西100キロメートルのホーウィックでは1962年にマンデラが逮捕された道路脇に碑が建ち、向かいの「ネルソン・マンデラ・キャプチャーサイト」では展示館と記念の彫刻が設けられている。これら郊外の施設は個人では行きにくいため、ツアーに組み込む価値は高い。