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羽田、昼間国際線が拡充、海外・訪日の需要獲得へ競争激化

  • 2014年3月30日

サテライト3階部分※クリックでフォトニュースに移動 羽田空港昼間時間帯の国際線発着枠が3月30日に拡大した。同日に日本航空(JL)と全日空(NH)が開催した新規就航と増便の記念式典で、東京国際空港ターミナル代表取締役社長の櫻井正志氏は、「羽田の国際線旅客数は、昨年の実績で年間約797万人」であり、すでに「成田空港とともに首都圏の空の玄関口の一翼を担う規模となっている」が、今回の拡大により「今後ますますその位置付けは高まる」と期待を示した。

 NHはハノイ線の就航に合わせて式典を実施し、NH代表取締役社長の篠辺修氏は「本日の記念すべき日を迎えて、大変嬉しく、感慨深いものがある」とコメント。全体では従来の10路線・1日13便が17路線・1日23便に拡大することに触れ、規模の大きさを強調。また、報道陣の取材に対して、初めてNHが「一つの空港で一番大きな規模」となり、「これまでの念願の一つが叶った」と喜びを語った。

(中央男性4名、左から)NH執行役員東京空港支店長の加藤勝也氏、NH代表取締役社長の篠辺修氏、国土交通省東京航空局東京空港事務所次長の佐藤敬氏、東京国際空港ターミナル代表取締役社長の櫻井正志氏 一方、JLは10路線・1日13便が12路線・1日17便に増加するが、このうちホーチミン線とロンドン線について式典を開催。ホーチミン線の回でJL代表取締役社長の植木義晴氏は、4月1日に開始するブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、フィンエアー(AY)との日欧間共同事業や「スカイスイート777」などプロダクトとサービスの向上をアピール。JLが「世界一お客様に選ばれ、愛される航空会社」をめざしており、この実現のため「最高の品質の商品、サービスを提供し続けていきたい」と述べた。

 搭乗率は、NHが初日の国際線全体で80%程度となる見込み。今後の目標については、「搭乗率は高いほど良い」が「目安としては国際線は大体70%台の上の方」で十分に採算が取れるという。一方、JLの初便搭乗率はロンドン線単体で73.4%。両者とも羽田線では首都圏需要の取り込みに加え、地方発の需要にも大きな期待を寄せる。さらに、2020年のオリンピック・パラリンピックも契機としつつ、訪日旅行者の更なる獲得にも積極的に取り組んでいく方針だ。

(中央男性5名、左から)英国政府観光庁日本代表のアシュリー・ハーヴィー氏、佐藤敬氏、JL代表取締役社長の植木義晴氏、櫻井正志氏、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)日本・韓国地区支社長のジョンティ・ブルナー氏 成田路線への影響について、篠辺氏は「2空港の棲み分けはうまくいっていると思っている」とコメント。JLも羽田は内際ハブ、成田は際際ハブとしての位置付けで双方の特徴を生かした事業展開を計画しており、植木氏は3月30日が「内際ハブとしての新しいスタート」であると表現した。

 このほか、外航を含めた競争が激しくなることについては、両社とも歓迎の姿勢。篠辺氏は羽田の空港としての競争力が強化すると分析し、その上で「競争は激しくなるだろうけれども、チャンスが実現する」と指摘。植木氏も競争が旅行者の利便性向上につながるとの考えを示し、「しっかりと勝ち残っていけるよう頑張っていきたい」と語った。