ニュージーランド、16年に日本人9万人へ-旅行会社と関係強化、個人FAMも

  • 2014年3月16日

(左から)ニュージーランド政府観光局ゼネラル・マネージャー・アジアに就任したデイヴィッド・クレイグ氏、日本・韓国地区局長のニック・マッジ氏 ニュージーランド政府観光局(TNZ)は、2016年までに日本人訪問者数9万人をめざし、日本市場への取り組みを強化する。2014年2月にTNZゼネラル・マネージャー・アジアに就任したデイヴィッド・クレイグ氏は「成長を続けるアジア市場のさらなる拡大をめざす。日本はその中でも特に重要な市場」と意欲を示した。日本はアジアでは中国に次ぐ第2位、世界全体では第5位の市場。クレイグ氏は日本人にはリピーターが多く、消費額も高いことから「旅行者として質が高い」とし、今後も誘客に力を入れていく考えだ。

 ニュージーランドへの日本人訪問者数は、2011年はクライストチャーチ地震もあり6万8963人まで減少。しかし、2013年は前年比3.4%増の7万4560人まで回復しており、クレイグ氏は今後の更なる増加に期待を示す。

 TNZ日本・韓国地区局長のニック・マッジ氏も、11年、12年は厳しい状況だったが、13年は回復してきており、日本向け予算も12年の2倍近くに拡大したと説明。「まだ予算は確定していないが、今年も同様の予算で展開していければ」と語った。地震の影響についても、クライストチャーチでは立ち入り禁止区域が撤廃され、ホテルも次々に営業を再開。ゴンドラは昨年3月から、トラムは今年1月から運行を再開した。今年11月には以前繁華街だった場所にレストランなどの複合施設「ザ・テラス」が開業予定だという。

 今年は昨年に引き続き、18歳から35歳までの「ヤング・アドベンチャー」層をターゲットにキャンペーンを展開する方針で、2月17日から「“本気で遊べ!”キャンペーン」を実施中だ。また、マッジ氏はニュージーランド航空(NZ)が展開中の、4月から10月までの出発分を対象にしたキャンペーン運賃「オドロキの早割運賃」に対し、「価格に敏感な若手層に効果的では」と期待を述べた。

 一方、需要の高いシニア層、特に60歳以上のリタイヤした人々についても、引き続きニュージーランドの魅力を訴求していく。シニア層にはショルダーシーズンであるニュージーランドの冬をアピール。冬は夏に比べてホテルやランド料金が安いことを利点としてあげるとともに、近年シニア層のスキー需要が高まっていることから、そうした層の取り込みもはかる。

 さらに、今年は更に高収入、高所得者の「プレミア層」にもアプローチする。一度の旅行に5万ニュージーランドドル(NZドル)を消費する層を目安に、ラグジュアリー・ロッジやワイナリーなどのアピールを強化していく方針。このほか、インセンティブを中心としたMICEの誘致や、映画「ホビット」をフックにしたキャンペーンによる誘客もはかる。

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